はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

空中サーキット


1923年から1982年まで操業していたフィアット社の巨大自動車工場「リンゴット」を見るために、トリノへ行ってきた。とりあえず1928年に撮影されたウィキペディアの写真をご覧くださいな。すごいから。現在この工場は、レンゾ・ピアノの手により改装されて、ショッピングモール、映画館、ホテル、オフィスなどの複合施設として利用されている。
なにしろこの工場のコンセプトがすごく面白いので、一目見ておきたかったのだ。材料の加工を1階からスタートして、組み立てを進めるごとに階層を上げていき、5階で完成する。つまり生産ラインが鉛直方向に積み重ねられているというわけだ。そしてなんと、完成車を走らせるための一周1.1kmのテストコースが屋上にあるのだ。
現在、その屋上には誰でも行くことができる。アルプスの山並みも眺めることができるのだが、そんなことはさておき天空のテストコースに大興奮してしまった。すると、改装工事を請け負っている業者と思われる車両が結構なスピードでコーナーのバンクに突っ込んできた。いやあこれは楽しそう。しかし、さすがに車で侵入することは難しそうなので、そこはおとなしくあきらめることにした。

※追記メモ:工場ではなくオフィス(研究開発部門を含む本社ビル)であるらしい。要調査。