スペインのバスク地方の空の玄関口であるビルバオ空港、またの名をソンディカ空港、さらにまたの名をロイウ空港のターミナルビルは、バレンシア地方出身のサンチャゴ・カラトラバが設計したもの。氏が手がけた構造物は、その土地の文脈を読んで最適解を導くというスタンスはほとんど感じられないし、使い勝手の悪さや補修補強を含む莫大な維持管理費などで世間を賑わせることも多い。しかしその造形力は卓越しており、僕もついつい機会をつくって見に行ってしまう。特にスペインにあるものは格別に説得力があるもんね。やはりビルバオ空港もたっぷり堪能できた。
帰国時の空港が見どころ満載だと、旅がとても充実した気分になる。海外旅行では移動に関わる時間的余裕を持つことの重要性をいくつかの失敗から実感している。このため、空港見物を目的のひとつに設定し、空港滞在時間を確保しておくことが多い。いまひとつだった場合は、ひたすら旅の振り返りをツイートすることになるけれど。
そうそう、到着時に注意すべき点があったよ。僕はパリでトランジットしてビルバオに入ったのだが、待てど暮らせど手荷物が出てこなかった。ほとんどの乗客はさっさと手荷物を受け取っていなくなったので、いくらなんでもこれはおかしいと焦りはじめた。周りの様子を真剣に観察していたら、ガラスで仕切られた奥のレーンで僕の荷物も含むいくつかのキャリーケースが寂しそうに回っているではないか。別の便のレーンだと思い込んでいたが、どうやら出発地がEU域内とEU域外で別扱いになっているのだ。空港職員が誘導してくれるわけではないので注意しようね。