立山カルデラの見学の際に車で移動していたとき、真川の向こう岸に妙な斜面が見えたので、車を止めていただいた。表面はとげとげしいのに、均一な緑に覆われているという、極めて不自然な眺めだ。まさかしばらく前に話題になった、岩山を緑色のペンキで塗装してしまった某国の緑化事業みたいなものか?などと一瞬たじろいでしまった。
これは、斜面の保護のために種子が入ったネットをかぶせた山腹工の一種なのだという。言われてみると、平滑な切土法面では良くある工法と同じだよね。ベースの崩壊斜面がやけにごつごつしているので、珍しい見た目になっているのだろう。
よくよく見ると、ネットを定着しているアンカーの頭が見える。水谷平(参考:山奥にある幻の村)に住む職人さんが命綱で吊られた状態でひとつひとつ丁寧に打ち込んだものだと思うと、一瞬とは言え某国のペイントと混同してしまって誠に申し訳ございませんでしたと謝る他はないよね。