はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ペデ

古城の軽い橋

カルロ・スカルパが手がけたヴェローナの「カステルヴェッキオ」には度肝を抜かれた。古城を改修した市立美術館なんだけど、動線や空間構成からディテールに至るまで、全く隙のない圧倒的な質の高さを体験することができるので、近くに行くことがあればぜひ…

パリの日本橋

海外に行く際に、見どころを人に尋ねるのは、ごく自然な行動だと思う。そうやって人様に尋ねられると、こちらもよろこんで教えようとするのだけど、時々ハッと我に返ることがある。僕が紹介するラインナップは本当に楽しんでもらえるのだろうか、いくら何で…

ボックス基礎

先日の「切通し交差点」の風景を望む歩道橋の基礎が、なんだかおかしなことになっているよ。久地円筒分水から続く用水の直上に歩道橋が架かけられているために、「ボックスカルバートが基礎」になっているのだ。「ボックスカルバートの基礎」という意味では…

高度な仮橋

牛伏川フランス式階段工の上流に、自衛隊クラスの技術力が駆使されたのであろう、かっこいい仮橋があった。桁はアルミ製梯子。片側にはV字橋脚を延長してつくられた高欄まである。もちろん僕は腰が引けてしまい、渡ることができなかったよ。

余計な雪

昨年末、北九州→宇部→岩国→広島を巡った際に、20年来の念願が叶って「錦帯橋」を参拝することができた。ありがたやありがたや。 しかし当日は寒波が襲来しており、雪が舞う天候だった。こちらは資料としての記録写真を保持したいというのに、雪が画面に入っ…

白くて薄い太鼓

周辺の植生さえそれっぽければ、「これ、スイスの山奥で見かけたきれいな橋だよ」と言ってもそのまま通りそうな橋。アーチ状の薄いコンクリート床版がそのまま構造部材になっていて、ミニマルで緊張感のある見事なフォルムが素敵すぎる。こんな切れ味鋭い構…

ヴェネツィアの赤いアーチ

ヴェネツィアのカナルグランデを跨ぐ4つめの橋は、2008年に架けられたばかり。鉄道と道路のそれぞれの玄関口であるサンタルチア駅とローマ広場を結ぶという極めて重要な位置にある。設計はご存じカラトラバ。 僕の中でカラトラバは空気が読めない、もしくは…

スカルパの橋

ヴェローナという街に行った際に、カステルヴェッキオという古城を改修した市立美術館に立ち寄った。これが予想をはるかに超えた素晴らしい美術館で、とても大きな衝撃を受けた。動線の構成や作品の引き立て方が素晴らしく、素材を巧みに活かした繊細で丁寧…

音楽の橋

今年の5月にローマのテヴェレ川に架けられたばかりの、Ponte della Musicaという鋼アーチ橋。現時点では歩道橋だけど、将来はバスやトラムが通ることを想定しているらしい。 きっちりときれいにまとめられた橋ではあるが、既視感のある構造フォルムやカラー…

コンクリートトラスアーチ

ミラノ市内のナヴィリオ運河に架かる歩道橋。名前はPonte del Dazioのようだが、まだ確証は得られていない。コンクリートのトラスはかなりごつくて、雰囲気の良い運河の中において、過剰なまでの存在感を放っている。それでも部材の角度に微妙な変化をつけて…

同じことの繰り返し

ルール工業地帯のゲルゼンキルヒェンに架かるFootbridge harbour Grimbergの高欄。信じがたい外観はこちら。フェンスの面には簡素な金網を用い、それを上下端のケーブルに張り渡し、ケーブルは端部ですっきり定着させている。極めて簡素なつくりで、極めて透…

非ダッチデザイン

アムステルダムの自転車道に架かる自碇式吊橋のnesciobrug。緩やかなカーブの線形や、断面形状が連続的に変化する鋼箱桁や、シンプルな各部のおさまりなどがすごく素直できれい。流麗で繊細で洗練された印象を受ける。つまり、オランダらしくない。ダッチデ…

渓谷を渡る板

先月のスイス訪問では、重要な巡礼地として東部のViamala渓谷に架かるPunt da Suransunsも参拝した。これはユルグ・コンツェットが設計した吊床版歩道橋で、これまでも何度か噂には聞いていた。なんでもまじめにハイキングをしなければ見ることができないと…

ミニマルブリッジ

ヴァルス村を散歩してたら、あまりにもすてきな歩道橋にばったり出くわして、腰を抜かしそうになった。これは一目惚れってやつだね。 フランジを露出させていない耐候性鋼板の箱桁、ウェブに取り付けられて桁を薄く見せているシンプルな高欄、わずかにウェブ…

ひねり技

ロッテルダム近郊の水路に架かる自転車と歩行者のための橋。とても現代のオランダらしさを感じる。経済的合理性や典型的な美とはまた少し違う方向、ジョークのように見せかけて本気でやるというアプローチ、失敗してもそれほど気にしない寛容さ。いやほんと…

かっこいい技術

マインツの北隣、ヴィースバーデンに架かるスパン約100mのアーチ橋。1967年当時の最新技術である軽量コンクリートを用いたPC構造および両側からの張り出し工法による架設といった点で、技術的にも価値があるらしいのだけど、見た目も非常に素敵。 地覆のライ…

森の中の空中回廊

ヨルグ・シュライヒが設計したシュトゥットガルトにあるケーブルネット構造のLodzer歩道橋は、アプローチ部分も素晴らしい。ここを歩くと、まるで森の木々の間を浮遊しているような不思議体験が得られる。 結構な高低差を長い延長のスロープでつなぐために線…

グレイシュの橋

先日、オランダ南端のマーストリヒトに行ったときに、きれいなアーチ橋を見かけた。構成要素の基本形態とそれらのおさまりがとてもシンプルにまとまっていて、すっきり爽快さわやか系歩道橋といった印象を受けた。 どなたの設計なのかなと気になって調べてみ…

2つのS

ボーフムの工場跡地を活用した公園の端部に、2つの斜めの主塔からS字の桁を片面で吊るリングガーダー橋がある。かなり素敵。結構高い位置で道路と鉄道を軽やかに跨ぐ体験はなかなかのものだ。詳細はこちらからどうぞ。 schlaich bergermann und partner : B…

宙に浮くアール

きれいなカーブを描く鋼箱桁が浮かんでいるこの光景、不思議でしょうがない。エンジニアリングに対する絶対的な信頼がなければ、橋脚のないこの橋を渡ることはできないよね。いやほんと、うっとりするよこの橋。ドイツの橋梁デザインは、本質を突きながらも…

アメンボ

ロンドンのドックランズという再開発地区に架かっている浮き橋。荷重には浮力で抗するため、基礎が省略できてお得になる。流されないように水中にアンカーで固定しているらしいが、当然のことながらそれなりに揺れる。ふわふわした気分で渡れる楽しい橋。か…

ローリング

世の中にはおかしな橋がいくつもあって、このブログでもこれまでたくさん紹介してきたが、ロンドンで見たこの橋は、かなりイっちゃってる。なにしろ、丸まるんだよ、橋なのに。まるまったその姿はまるでダンゴムシのよう。いったい何のために丸めるのか、そ…

ミレニアム

ふと気がつくと2000年からもう12年も経過してしいたが、ようやくこのたびロンドンのミレニアムブリッジを参拝することができた。ミレニアムって響きの浮かれっぷりが少々気恥ずかしくなるのだけど、キリスト教国では極めて特別なイベントだったんだろう。ロ…

極めて高価な爪楊枝

スキポール空港のすぐそばのHaarlemmermeer(タイプミスのような綴りだけど、オランダってこういう地名が多いね)というエリアを貫く水路には、カラトラバの斜張橋が3つも並んでいる。 これらは爪楊枝のような同じ形の斜め主塔で統一されているが、それぞれ…

玄人好みのハイテク橋

ベルギーのVerviersという小さな街に架かる橋長30m、幅員2mのCentner歩道橋。一見したところ小振りで地味な印象なんだけど、一歩踏み込んでじっくり眺めてみると、最新技術が注ぎ込まれたクールな橋であることが感じ取れる。 構造形式はU字断面を持つ鋼下路…

せり上がる吊橋

デュイスブルクの運河に架かるユニークな歩道橋。バックステイのケーブルを油圧シリンダーで引っ張ることでタワーを外側に傾斜させて、運河上のケーブルを引き上げ、桁を太鼓橋のようなアーチ状に持ち上げる。冗談みたいな話だけど、エイプリルフールのネタ…

腹の中

エッシュ歩道橋の内側は、錆止めの色に似た赤で塗装されている。この地域特有の赤土の色を引用しているのだそうな。意を決して巨大生物の体内に取り込まれてみたら、そこには奇妙な安心感があったよ。

使徒、襲来

はじめてネット上でこの歩道橋の写真を見たとき、なにかの冗談かと思った。有機的な白い表皮を持つモノフォルムは、そもそも橋に見えないよね。アニメ好きがつくった良く出来たCGかと思ったのだが、どうやら現実のもののようだ。じっくり見ていくにつれ、徐…

あやとり的輻輳感

アムステルダム中央駅の近くにある音楽ホールMuziekgebouw aan 't IJのアプローチには、面白い橋が架かっている。いくつものケーブルがあやとりのように輻輳している上に、支柱や定着部の形状は連続的に変化していて、独特のリズム感を生み出している。細か…

巻き取り橋

マッチ棒のような頭を持つコンクリート柱に取り付けられた円柱をぐるぐる回して、そこから吊されたワイヤーを巻き取り、桁をリフトアップするという可動歩道橋、Coupure橋。ベルギーのブルッヘ(ブルージュ)という街にあり、スイスの構造家のユルグ・コンツ…