はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

視点の切り替え

僕は高いところが大好きである。高層ビルや展望施設などに行くと、同伴者が恥ずかしくなるくらい外を眺めるのに夢中になるらしい。もちろん僕だけでなく、高いところが好きな人はたくさんいるはずだ。はしゃいでいる人も多く見かけるし、はしゃぎたい衝動を抑圧している人もたくさんいるに違いない。
なぜ多くの人は高いところを好むのか。
いろんな理由が複合しているんだろうけど、“非日常の視点”ってのは見逃せないね。これは、“新たな視点”を獲得する快感に通じていると思う。
物事は多角的に見ることで、その本質が捉えやすくなる。物事の本質に近づくと、知的欲求の満足度はグッと上がる。そんなこと関係ない場合でも、違った側面を見ることはちょっとした感激を生む。意識的にせよ無意識的にせよ、人は経験的にそのことを理解している。
しかし、自らの意思で“視点を変える”ことは容易ではない。自己中心的参照系にどっぷり浸っている人やそれを正当化して生きてきた大人にとっては、無意識的な拒否反応が現れるからそんな意思を持ち得ないだろうし。
だから、“いつもと違う視点が目の前にある”ことを“労力を費やすことなく新たな視点を手に入れられる”ことと置きかえれば、人が高いところを好むひとつの理由にはなる。かな。かもしれない。
とりあえず、視点を切り替えるトレーニングのために、高いところにから周りを眺め倒してみよう。