はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

歴史のお勉強

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昨年のお正月に敢行したオランダ旅行では、ロッテルダムのファン・ネレ工場にも行った。もっとも見学の予約をしていなかったので、ゲートから中には入れなかったんだけど。

ここは昨年の6月に世界遺産登録されたばかりの工場で、もともとは煙草、紅茶、コーヒーの梱包工場として1930年に建てられたものだそうな。ガラスのファサード、斜めに棟をつなぐデッキ、曲線を取り入れた配置計画なんかを見てみると、とてつもなく近代的な感じがするよね。うっとりするほどかっこいいし。

このような近代建築って、ヴァルター・グロピウスのファグス靴型工場(1913年)やバウハウス・デッサウ(1926年)が先鞭をつけたってことになるのかな。ここら辺の年代って、ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナ・パビリオン(1929年)、ル・コルビュジエのサヴォア邸(1931年)あたりが有名だよね。アメリカではクライスラービル(1930年)やエンパイア・ステート・ビルディング(1931年)が同級生って感じだな。うん、やっぱりファン・ネレ工場の機能主義精神は、かなり先進的と言えそうだね。

なるほど、建築の歴史ってちゃんと学んだことがないけど、もっと探ると面白そう。ある程度経験を重ねると、知識のリンクが気になってきて、ようやく歴史に興味を持つようになるよね。学生に歴史を学べと言うのも、なかなか酷だよなあ。

あ、ロベール・マイヤールのサルギナトーベル(1930年)も同級生だね。たしかゲーテアヌムはこのあたり(1925年)から作り始めていたよな。コンクリートという材料が有効に機能しはじめたのって、この辺からなんだな。日本で言えば、少し先輩に聖橋(1927年)、同級生に小牧ダム(1930年)ってところか。河内堰堤の太鼓橋(1927年)の特殊性が際立つね。

うん、やっぱり歴史を遡って妄想するのは楽しいな。