先日、品川で行われている柴田敏雄の写真展「Bridge」に行ってきた。被写体は、このブログでもたびたび取り上げているローラン・ネイが手がけた橋梁だ。本当に素晴らしい写真展なので、みんな行ったらいいと思う。
以前から個人的に、ネイの橋は写真に撮りにくいという印象を持っている。そうは言っても気になって仕方がない魅力があるので、これまでたくさんの橋を実際に見に行った。だからこそ、あの柴田敏雄氏がどのように撮るのか、とても興味があった。もともとファンとして写真集を3冊持っているし。そして、期待を超える感激を味わった。
感激ポイントは、ものすごく練られた「光と影の扱い」と「平面構成」にあると思った。写真をやる人にとっては基本事項かもしれないが、その見極め方は研ぎ澄まされているように感じた。そしてそれは、ネイの橋が持っている造形面での魅力にピタリと重なる。写真家の仕事を通じて、構造デザイナーの造形と構造のバランスの取り方や、それを引き立てているディテールが引き立てられるって、とてもステキなコラボレーションだなあ。
そんな感想を持ちながら自分の写真を眺め直してみると、いかにも説明的でがっかりした。もともとの目的が説明なので、仕方のないことではあるが。上の写真はナイメーヘンの「De Oversteek」のアーチの一部を望遠で撮ったものを、ちょっと無理していじってみた。やっぱり、後で加工するのもなかなか難しいね。この橋もまた、捉えどころの難しいアーチ橋だったなあ。
写真展の会期は5月17日(火)まで。開館時間は10:00〜17:30で、日曜祝日は休館なので、注意しないとね。
キヤノンギャラリーS スペシャルサイト 第110回展 柴田 敏雄「Bridge」