昨年の夏、山口へ出張した際に街をうろついていたら、たまたまブルータルな雰囲気の建物の脇を通った。よく見てみると、山口市民会館と書かれている。回り込んでみると特徴的な階段が目に止まり、誘われるように登った。そのアプローチの先にあったのが、上の写真の喫煙所だ。
門のような構えの空間、上部の重々しいコンクリート塊、何かを象徴しているかのような円い窓、シンメトリーに配置されたプラスチックのシェルチェア、威風堂々と掲げられたプレート、そして中央に鎮座している灰皿。うっかり手を合わせて拝みかけた。
思えば僕がタバコを放棄したのは10年前の2010年の元日。今ではすっかりタバコの臭いに不快感を抱くようになっている。でも、あまりにも虐げられ、蔑まれている喫煙者に同情することもある。たまには喫煙行為が祀られる場所があってもいいかもしれないね。