はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

コンツェット の検索結果:

キノコ岩橋

…エンジニアのユルグ・コンツェットが携わったアルプス山中のトレッキングコース「Trutg dil Flem」には、同氏が設計した歩道橋が7つ架かっている。そのうちのひとつに、ものすごく深く狭い箇所を跨ぐ橋がある。英語名は「Mushroom Rock Bridge」であり、その名の通り、渓流の上に迫り出した岩の上にある。この橋を渡るときは、その狭さからヒヤヒヤしながら足下を見ざるを得ないので、激流と奇岩を直上から目撃することになる。 コンツェットが描いた手書きスケッチ的な図面を見…

追悼

…い気持ちになった。 コンツェット氏によるトレッキングコースを彼とともに歩いたときは、本当に楽しく素晴らしい体験だった。そもそも彼がいなければ、実現することはなかっただろう。もちろん、共著記事のネタにすることが目的だったわけだが、その根底には、彼も僕も素晴らしい橋を体験したいというモチベーションがあったから。そんなことを共有できる友人は少ない。 コンツェット氏へのインタビューは、僕がケンプテンに遊びに行く算段をしているときに彼から提案された。彼は著名な構造設計家の設計思想を探る…

第10回記念大会によせて

…らは行きにくいけど。コンツェットから直接お話を伺えたことは、奇跡的に貴重な体験だったな。 [2017年 第9回:湘南モノレール] 昨年は企業情報誌やウェブマガジンなどの連載ものを担当する機会が増え、真剣に取材をするようになった。質が高いインプットと質の高さを求められるアウトプットがバランスすることで、風景の捉え方がバージョンアップできそうな気がしているのだが、どうなんだろうか。湘南モノレールはオフィシャルwebマガジンに記事を書くにあたりやたらと乗りまくったうえに、ドイツのヴ…

私的ドボク大賞2016

…ングコース。ヨルグ・コンツェットが考え抜いてデザインした7つの歩道橋が架けられている。インドア派の僕でもアウトドアの魅力の一端が理解できた] [3:阪神高速のジャンクション群|出張帰りにふらりと立ち寄った都市内のジャンクション群。重層化した都市土木の難しさを体感できる。これまでも部分的には見ていたものの、まとめて一気に鑑賞するとそのすごさがよくわかる。ついでに、パソコンを持ちながら革靴で巡るものではないこともよくわかった] さてさて、以上の3つの最終候補から投票しよう。もちろ…

自然を引用した楕円

…em」には、ユルグ・コンツェットが設計した7つの歩道橋が架けられている。それらの橋は美しい渓流を様々な角度から楽しみ尽くすための重要な視点場として設えられており、それらの橋自体がコース全体のシークエンスにおけるアクセントとして機能している。 そのシリーズの最上流に位置しているのが「Oberste Brücke」という、楕円形のコンクリート板にびっくりするほど繊細な高欄が取り付けられた橋。きっちりした幾何学的な形状で構成された姿は、渓流の眺めとのコントラストが強烈だった。 原案…

世界的な歩道橋

…チ式不完全トラス構造」とされているが、正直なところ僕には十分理解できない。おそらく、オーストリアで見たボーリンガーの橋と、スイスで見たコンツェットの橋の中間に位置しているんだと思う。 あらためて写真を見ても、この洗練された構造物の姿には本当に感嘆するな。日本にも世界に誇る構造物が存在しているのだという事実を、あらためて噛みしめている。これ、もっと有名でもいいよねえ。構造も、材料の使い方も、ディテールも、本当に見事に調和している。それはそれとしても、境川の砂防の眺めもすごいな。

悪魔の橋

…を圧縮しているのだけど、そんなことはさておき、目の前にあるのにCGにしか見えないほど現実感が無かった。 設計者のユルグ・コンツェット氏へのインタビューでは、著書にも記載されているとおり、ゴッタルド峠の橋を強く意識していることを語ってくださった。最初のスケッチはまさに悪魔の橋のようなフォルムのアーチ橋だったが、検討を重ねるうちにスパンをやむなく18mに延長し、構造もアクロバティックなものに変化したようだ。制約こそがスーパーデザインを生み出す要因になるという事実を突きつけられた。

ハイキングデビューに関する反省文

…い。構造家のユルグ・コンツェット(参照:技術の重ね方)が5年の歳月をかけて育て上げたハイキングコースに、7つのステキな歩道橋が架けられているのだ。なお、たいへん光栄なことに、コンツェットご本人にこれらのコースや歩道橋について伺うことができたので、詳細は後日何らかの形で報告したい。 コンツェットへのインタビューをセッティングしてくれたのは、ドイツ南部のケンプテンという街に住む友人だ。ハイキングの前日は彼の自宅に泊めてもらったのだけど、そこを出発したのは、予定時刻を大幅に超過した…

技術の重ね方

…純。構造家のユルグ・コンツェットが手がけた橋梁は、ギョッとするほど極端に研ぎ澄まされたミニマル・デザインであり、その意味を理解して受け止めるまでにいつも時間がかかってしまう。 この歩道橋は、ケーブルのように張り渡された2枚の鉄のプレートの上に、石の床版がみっちり並べられており、そこに手すりの支柱が直接埋め込まれているという、極めてシンプルな構成になっている。しかし、この尋常ではない軽量感は、高度なエンジニアリングによって実現されていることは間違いなさそうだ。 僕のつたない構造…

アウトドア派の階段橋

…、上の写真のユルグ・コンツェットが設計したTraversiner Stegという吊階段橋。そんなカテゴリーがあるかどうかは知らないが。駐車場から1時間近く歩いて、ようやくたどり着いた。まあ、Punt da Suransunsとセットで見に行ったので、やけに遠く感じただけかもしれないけどね。これはがんばって行って、本当によかった。よくこんな深い谷にこんなミニマルでハイテクな歩道橋を架けたなあと感激したよ。 そんなわけで、来週から東アルプス方面にレア歩道橋をゲットしに行ってくる。…

味わい深い木橋

…組まれた方杖ラーメンだ。コンツェットによるスイスの木橋は6段になっていたけど、こちらは2段。上段は中央部で見事に接合して一体化している。下段はより太い材木を用いており、石で組まれた橋台に向かう斜材も含めて、力の流れを視覚的に実感できる。 ディテールも魅力的。いい感じに風合いが出た材質感はもちろんだが、曲がった木を見事に床版や梁材に使用しており、材料を惜しみつつも手間を惜しまない気持ちが伝わってくる。とても感動できる橋なので、愛媛方面に行く際には立ち寄ることをオススメしたいな。

近代石橋

…ナー橋と同じユルグ・コンツェットが設計した橋であり、2010年に供用された。 見るからにユニークな橋だ。両サイドに縦方向に積層された石材が重要な構造部材になっているらしい。橋梁形式はコンクリートと石のハイブリッドによる下路桁橋ということかね。また、高級感のある石材を、路面にも側方にもじゃんじゃん使っている。これは周辺の住宅の屋根に使用されているものと同じであり、テルメ・ヴァルスにも使用されている。そのためか、これほどモダンでミニマルなデザインであっても、地域環境にしっとり溶け…

近代木橋

…しておこう。ユルグ・コンツェットの設計で、2002年につくられた。 木材が6層に重ねられた方杖ラーメンは、スチールの部品で接合しつつ視覚的にすっきり整理されていて、独特のリズムを生み出している。その上に載せられたコンクリート床版は、結構盛大に張り出している。木製のリブでがっちり支えられて、それなりに剛性が高そう。上部工の水平力を受け止める橋台の表面は石材で構成されいる。内部はコンクリートで充填されているにしても、すごく丁寧な仕事。材料の明解な使い分けと、その仕上げやおさまりの…

渓谷を渡る板

…した。これはユルグ・コンツェットが設計した吊床版歩道橋で、これまでも何度か噂には聞いていた。なんでもまじめにハイキングをしなければ見ることができないという、巡礼にふさわしいロケーションがまた魅力。 Viamala-Schlucht‎というバス停にある駐車場に車を止め、アウトレットモールで入手したトレッキングシューズに履き替えて、ハイキング好きのヨーロッパ人に紛れて南方に歩き始めた。しかし渓谷に沿って歩いているはずなのに、なかなか水面が近づいてこない。案外アップダウンもある。こ…

ミニマルブリッジ

…に感じるけど。ネット上で情報を探しているのだけど、手がかりが少なすぎてなかなか見つからないんだよね。もし何かご存じの方がいらっしゃれば、ぜひともご教示ください。写真をクリックして緯度経度の表示をクリックすると、位置を示した地図が出てきます。 もしかすると、ズントーとかコンツェットとかが関わっていたりして。なにしろこの橋のすぐ近くにはズントーの有名な温泉宿泊施設があるし、ちょっと上流にはコンツェットの新しい橋が架かっているし。【追記】 やはりユルグ・コンツェットの設計とのこと。

スイス橋梁巡礼

…ャン・メン、ユルグ・コンツェットなど、スイスには見るべき橋が多すぎて、しかもそれらは広域に散らばっているのだ。たいていアルプスの奥深くの行きにくいところにあるし。しかし帰国日が近づき焦ってきたので、この際だから無茶を承知で勢いで行ってしまうことにした。 まだ巡礼の途中だけど、すでに大きな恍惚感に包まれている。なにしろ昔からあこがれ続けてきたアイドルとも言える橋を実際に見て触れて感じられるので。写真集などで見た印象と若干異なっていたり、抱いてきた印象がより補強されたりと、実物を…

巻き取り橋

…re橋。ベルギーのブルッヘ(ブルージュ)という街にあり、スイスの構造家のユルグ・コンツェットによって設計された。 合理的なんだか非合理的なんだかよくわからないこの橋は、かなりユニークなフォルムを持っている。それにもかかわらず、あまりにも素っ気ないミニマルな造形なので、正直なところつかみ所がない。橋を目の前にしてしばらくうーんと考え込んだあげく、苦笑いしてしまった。 なんでこんなことを思いついちゃったのか、というか、なんで実現しちゃったのか。欧州には面白いものがたくさんあるね。