2016-01-01から1年間の記事一覧
チューリッヒから電車で15分程度で行けるバーデンという街に、いろいろなミスを重ねてしまって1時間以上かけて到着した。お目当ては、市街地とリマト川の高低差を解消するリフト付き歩道橋。駅前の傾斜地につくられた人工地盤に接続している。 茶色のトラス…
ボーデン湖畔のロールシャッハという街に、駅と駅裏の住宅地との高低差を解消するリフト付き歩道橋があるというので行ってみた。これが、ミニマルで雑味がない造形と仕上げの中に知的な色気を織り交ぜるという、いかにもスイスっぽいかっこよさを存分に体現…
5年前のスイス訪問時にもリヒテンシュタイン公国へ行った。しかし、さらっと通過しただけであり、写真すら一枚も撮っていなかったので、もしかすると本当は行っていないんじゃないかなどと思うようになった。このため夏のアルプスドボクツアーでは、ちゃんと…
地域を代表する産業遺産の保存活用は基本的に大賛成なので、先人たちの努力によって維持されてきた富岡製糸場には大きな興味がある。2007年に一度訪問した際、社会的背景なども含めてなんとなく理解したので、2014年に世界遺産登録されたことは、素直にうれ…
つい先日、宇都宮を散歩する機会があったので、すぐ近くに産地がある「大谷石」の使われ方を気にしながら歩いてみた。これまで何度か大谷資料館などの採掘場跡地を訪問していたので、倉や塀などの使用例が極めて多いことはある程度知っていたんだけど、思い…
海岸から500kmほど離れた内陸都市のミュンヘンにあるエングリッシャーガルテン(イギリス庭園)の一角に、なぜかサーファーが生息しているという情報を、何年か前にテレビか何かで得ていた。アルプス訪問の際にそのことを思い出し、本当にそんなバカバカしい…
オーストリア西端エリアのブルーデンツの街はずれに架かる、Alfenz Bridgeという風変わりなコンクリートトラス橋。先日紹介したSchanerloch Bridgeと同様に、Marte.Marte Architektenという設計事務所が手がけている。 河川の合流部に架けられているためか、…
ケンプテンはドイツでも最も古くから存在しているクラスの街のようで、ネットで少し調べてみただけでも、ケルト人、ローマ人、ゲルマン人と、様々な民族がその歴史に登場してきたことがわかる。一時期はカソリック勢力とプロテスタント勢力に分断されて統治…
コンテナ好きとしては、チューリッヒに行くならどうしても立ち寄らねばならない重要な場所がある。それは、トラックの幌をリサイクルしたバッグで有名なブランド「フライターグ」の旗艦店。全部で19個の中古コンテナを用い、4層までは店舗、階段部は9層まで…
これまでも様々な立体駐車場の螺旋スロープを見てきたが、先日訪れたチューリッヒにも素晴らしい物件があった。フラットルーフと隣接するオフィス部分とのコントラストが効いた、ため息が出るほど整ったダブルらせんだ。別件をストリートビューで調べていた…
ドイツアルプスの麓の街、ケンプテンにある2010年に竣工した水力発電所を見に行ってきた。地元の建築設計事務所のベッカー・アーキテクトの設計。たいへんありがたいことに、ケンプテンに住む友人の取り計らいで、施設のガイドツアーにも参加させていただく…
アルプスの山々に囲まれた深い谷にあるクール(Chur)という街で、コンクリートでつくられた面白い教会を訪問した。デジタルテレビのブロックノイズか、終盤で失敗したテトリスか、マインクラフトの世界で作り上げたのかと思うほど、なんとも荒々しい造形の…
チューリッヒ中央駅はもともと大きなターミナル駅であるが、2014年頃(未確認)には通過式の路線が地下につくられたようだ。それ以前にも改修に次ぐ改修が行われてきたんだろうね、順次拡張してきた痕跡が随所に見られる。 ところが、見た目や利用に関して、…
昨日はスイスのフリムスという山岳リゾート地にあるTrutg dil Flemというハイキングコースを下った。本格的なハイキングのデビュー戦がスイスアルプス、しかも、スイス・ハイキング・アワード2014のグランプリを受賞した有名コースを歩くという、話す相手に…
オーストリアの山奥で、急勾配と急カーブの道をぐんぐん登り、すれ違いを許さない狭隘な素掘りトンネルをいくつもくぐり抜け、そこを走り抜けるフルサイズの路線バスにおののきながら、レンタカーを走らせた。そして、Marte.Marte Architektenという建築設計…
ミュンヘンの地下鉄の駅空間は、内装パネルや照明などによる演出がなされ、ユニークな空間がチラホラあることを、5年前の訪問時にうすうす気付いていた。ここ2日間のミュンヘン滞在はたびたび冷たい雨に降られているので、必然的に地下鉄駅巡りが最高の都…
僕もオリンピックを見に来た。でもリオデジャネイロではなく、1972年開催のミュンヘンオリンピックの会場に。軽量構造のスペシャリストであるフライ・オットーの代表作である膜構造の屋根を見るために。 昨年の春頃、ネット上でオットーの訃報を目にした。プ…
スイスのViamala渓谷に架かる吊床版橋のPunt da Suransuns。それぞれの部材が、恐ろしいまでに薄く、細く、単純。構造家のユルグ・コンツェットが手がけた橋梁は、ギョッとするほど極端に研ぎ澄まされたミニマル・デザインであり、その意味を理解して受け止…
5年前にスイスを訪問した際は、主にダムや橋を巡ったために、人里離れた山奥に行くことが多かった。そこでびっくりしたことは、トレッキングやサイクリングなどのアウトドアライフを楽しんでいる方々が、どこに行っても老若男女を問わずたくさんいたこと。 …
昨日は21_21デザインサイトで行われている「土木展」のイベントとして、大山顕さんと「土木を愛する人たち」というタイトルのトークセッションを行った。大山さんのご提案により、展示のテーマにも掲げている「つなぐ、ながす、ほる、ためる」に含まれていな…
日本海に沿って小樽と稚内を結ぶ「オロロンライン」は、北海道の雄大さを体感できる素晴らしい道路だ。特に道北のサロベツ原野をひた走る直線区間は、日本離れしたスケールをうんざりするほど堪能できる。 もちろん夏の晴れた日のドライブは最高な体験になる…
1935(昭和10)年に開設された築地市場の建屋は、やんわりとしたカーブによる扇型が特徴だ。かつて最外周部分に敷かれていた鉄道によって決まったレイアウトと形状。建設当時は船と鉄道による輸送が絶対的な要件だったんだね。 汐留の高層ビルから見れば、陸…
ミラノのドゥオモにアプローチする通りにて。 心ない落書きは、いくら僕でもそれなりに心が痛む。でも、落書きの消し方が雑すぎてさらに心が痛む。でも、そんな落書きも窓の部分は避けていて少しほっこりする。でも、よく見るとその窓は実物ではなく、ペンキ…
世界に点在するコルビュジエの建築群が世界文化遺産に登録されることになった。建築家や建築物の基礎知識に乏しく、世界遺産は旅先のついでに見る程度の認識しかない僕であっても、やはり近代建造物ファンとしてうれしい話だね。 上野の国立西洋美術館の個人…
機密性や断熱性が高く、温度調整が可能な冷却装置を備えたコンテナを「リーファーコンテナ」と呼ぶ。もちろん冷蔵や冷凍が必要な食料などを運ぶためのもので、その性能はどんどん向上しているらしい。 コンテナの眺めはそもそも魅力的であるが、これはさらに…
海外の土木構造物の情報をどうやって見つけるのかという質問を時々いただく。ネット上でしつこく探すという回答になるわけだが、それなりにコツというかカンが必要になる。ざっくりとは『ヨーロッパのドボクを見に行こう』の「第7章|ドボク旅行のテクニッ…
愛媛県内子町にある山間の小さな集落に、「田丸橋」という屋根付きの木製歩道橋がある。1944(昭和19)年に架けられた木橋なのに、しっかり現役。構造部材の補修補強や屋根のふき直しなどの手が入りつつ、オリジナルの姿がちゃんと維持されている。雨をしの…
パリ郊外。セーヌ川に合流する少し手前のマルヌ川に、堰とセットになった「サン・モーリス歩道橋」が架かっている。路面全体が太鼓橋のようになっており、全体的にエレガントな雰囲気が漂っている。装飾も多いし。マルク・ミムラムが手がけた橋を見ると、フ…
わが家の近所には、小さいながらもゲリラ豪雨によってたまに氾濫してしまう「草野水路」がつくりあげたスリバチ地形がある。最近久しぶりにこのあたりを散歩し、スリバチの底と縁では風の温度や湿度が全く異なることが体感できた。そこに架かる「小仲台新橋…
みんな、この夏は欧州にドボクツアーに行くといいよ。為替レートの動向次第では、とてもお得感があるツアーになるんじゃないかな。もちろん、その際に携行する旅行ガイドブックは『ヨーロッパのドボクを見に行こう』で決まりだね。 僕は今年の夏、ドイツ、オ…