はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

橋梁

みっちりジャンクション

上海の延安高架路と南北高架路が交差するとてつもなく高密度なジャンクション。名前は少し調べただけでは出てこなかった。中心には龍のレリーフをまとった橋脚が様々な方向に腕を出して、あたかも曲芸のように4層に重なる桁を支持している。どこに目をやれば…

アートネイチャー問題

構造物の「緑化」について、Twitterのタイムラインに興味深いコメントがいくつか上がっていた。そのきっかけは、メキシコの高架橋の橋脚をつる性植物で覆うというプロジェクトに関するツイートのようだ。元の記事は環境問題として書かれているのだが、こちら…

レゴの橋

ドイツ西部の都市、ヴッパータールに架かるレゴブリッジ。レゴでつくったミニチュアの橋ではなく、レゴでつくられたようにペイントされた本物のコンクリート橋だ。とても古い鉄道橋で、現在は自転車道となっている。 事前に写真で見ていたとおり、なかなかの…

三角形の集合体

大正駅の高架ホームからまる見えのダブルワーレントラスの木津川橋梁。先日の岩崎運河橋梁と全く同じスペックの双子橋なのだという。構造や材料に多少の余裕が生じても設計を一回で済ませる姿勢から、単純化や標準化への切実な願望を感じるね。 それにしても…

背の高いトラス

大阪ドーム(京セラドーム大阪)の南側にあるJR大阪環状線の岩崎運河橋梁。先日の大阪訪問時にたまたま見かけて、やたらと背の高いプロポーションにのけぞった。隣に架かる道路橋の4径間桁橋の橋脚がそのシルエットに重なって見えたためか、その奇妙さがより…

年の離れた双子

ケルンのダンス場を見に行くときに、観光写真でよく登場する鉄道橋のホーエンツォレルン橋の歩道でライン川を渡った。その際に上流側に架かるドイツァー橋のシルエットを確認し、ふーん3径間の鋼橋か、あそこには隅田川に架かる清洲橋のモデルになった吊橋が…

目と心の保養

デュッセルドルフに来た。たぶん3回目になるのだけど、これまでは雨に降られたり、目当ての橋が改修工事中だったりと、なかなか満喫できなかった。まあこちらもエッセンやデュイスブルクなどへの通過点としか捉えてなかった気もするので、お互い様ってところ…

大型複合トマソン物件

秩父の道の駅に立ち寄った際、視界の端に気になるものが飛び込んできたので、フラフラと近づいてみた。それは「純粋橋」と言っても差し支えないトマソン物件だった。もちろん、一見してかつて鉄道を跨いでいたのだろうことは推測できたのだが、見れば見るほ…

雨雲レーダー

沖縄滞在時の天候は、ころころ変わった。晴天もあればスコールもあったので、レンタカーで移動するときには、雨雲レーダーで行く先の天候を予測しながら行き先を決めた。 古宇利島と本島を結ぶ古宇利大橋を見に行ったときは、ギリギリセーフだった。南国の素…

赤いリフト橋

筑後川昇開橋は、1935(昭和10)年に佐賀県と福岡県の境界をなす筑後川に架けられた可動橋。1987(昭和62)年に鉄道橋としての役割を終えて、すったもんだの後に1996(平成8)年にようやく遊歩道としての人生を歩み始めたとのことである。当初の役割はすでに…

かげのカーブ

昨年の札幌訪問時に少し時間が空いたので、サイクルシェアリング「ポロクル」を利用して、かつて自分が設計に関わった「北郷通こ線橋」を数年ぶりに見に行った。 桁下に自転車を止めて周囲を歩くと、すぐに側道上空をスパイラル状に跨ぐスロープが落とす影に…

ひねる理由

昨年の夏、オーストリアのドルンビルン川に架かるSchanerloch橋というかっこいいコンクリート橋を見に行った。桁下面がねじられた造形になっていたのだが、現地を観察してもその理由がよくわからなかった。もしかしたらエンジニアリング面での理由はなく、オ…

雨中の大型新人

先月の熊本旅行では、三角ノ瀬戸を跨ぐ「新天門橋」(仮称)の仮設現場を見に行った。鋼中路アーチ構造とPCラーメン構造を複合させた、とてもかっこよくなりそうな長大橋だ。 完成はアーチリブをつくるための斜吊タワーとケーブルクレーンタワー、架設が済ん…

ダム前の橋

カリフォルニア州のオロビル・ダムの非常用洪水吐きに大きな穴が発生し、さらなる大きな災害に備えるために大規模な避難命令が出されたことが報じられた。甚大な被害をもたらしかねないダム災害に思いを馳せていたところ、イタリア北部のヴァイオント・ダム…

海上交差点

熊本県の牛深ハイヤ大橋は、見どころ満載のかっこいい桁橋。そもそもの必要性云々はさておき、道路線形からディテールに至るまでのトータルデザインのクオリティはとてつもなく高い。 橋梁が描くきれいなラインの中にポツンとある信号機付き丁字路交差点は、…

拡大する社会のインフラ

10年前に撮った瀬戸大橋の写真を引っ張り出す用事があったので、海を渡るってことを振り返ってみた。 20世紀後半のおよそ50年間、日本の国土開発は「国土の均衡ある発展」をキャッチフレーズとして、経済成長を前提とする量的拡大が行われてきた。それを考え…

上海のジャンクション景

そういえば上海の都市内高架橋って、プランターで緑化していた気がするなあと思い、過去の写真をごそごそと捜索してみた。すると、2006年に出張で行った際の写真が出てきた。もう10年も前という事実に驚愕しつつ、仕事をちょろりと抜けてジャンクションの写…

とぐろを巻くJCT

先週の大阪出張の際、仕事が立て込んでいたので早く戻る必要があった。でも少しだけ都市内高架橋を見てから帰ろう、なんて思ったのが運の尽き。ホテルから近い東船場ジャンクションを堪能していたのだが、ついつい我慢できなくなってしまい、地下鉄中央線で…

古い街の積み重ね

ケンプテンはドイツでも最も古くから存在しているクラスの街のようで、ネットで少し調べてみただけでも、ケルト人、ローマ人、ゲルマン人と、様々な民族がその歴史に登場してきたことがわかる。一時期はカソリック勢力とプロテスタント勢力に分断されて統治…

渓谷を跨ぐ彫刻作品

オーストリアの山奥で、急勾配と急カーブの道をぐんぐん登り、すれ違いを許さない狭隘な素掘りトンネルをいくつもくぐり抜け、そこを走り抜けるフルサイズの路線バスにおののきながら、レンタカーを走らせた。そして、Marte.Marte Architektenという建築設計…

ミムラムのアーチ

ル・アーヴルの写真を見返していたときに、マルク・ミムラムがデザインしたプレキャスト・コンクリートの連続アーチ橋の存在を思い出した。ノルマンディー橋のアプローチ部分にあたる高架橋だ。アーチリブのリズミカルな連続感、スパンドレルの微妙なカーブ…

近代石橋

スイスのヴァルス村の中央に架かるヴァルサーライン橋(Valserrheinbrückeか?)も、先日のグレンナー橋と同じユルグ・コンツェットが設計した橋であり、2010年に供用された。 見るからにユニークな橋だ。両サイドに縦方向に積層された石材が重要な構造部材…

近代木橋

構造形式自体は伝統的なものだが、現代的にクールにアレンジされたスイスの木製方杖ラーメン橋。例によって正式名称がよくわからない(Glennerbrückeか?)ので、とりあえずここではグレンナー橋としておこう。ユルグ・コンツェットの設計で、2002年につくら…

橋の写真

ひとつ前の記事で、オランダのナイメーヘンに架かる橋「De Oversteek」の写真を取り上げた。柴田敏雄氏の写真展に感化されて、自分の写真もそれっぽくならないかあと思い、構造的な特徴を持つ部分をクローズアップして構図のバランスを再検討してみたり、ド…

すでにない高架橋を見に行こう

先週末は出張ついでに高岡と氷見の町を歩き回った。疲労で頭が空っぽになるほどに徘徊し、そこに積み重ねられた時間を感じることができた。ここ最近は気持ちが大きくブレて迷走状態に陥ることが多かったためか、そうしたフィールドの体験がスーッと体に染み…

手段の目的化

韓国の埋立地に架けられた斜張橋。曲線の柱で構成された斜めに傾くタワーを介して、橋台をアンカーとしながら張られたケーブルが水面上の桁を引っ張り上げている。そして、その桁の上を別の高架橋が遠慮なく跨いでいる。高架橋の橋脚の向きや形状を見ると、…

元世界チャンピオン

「世界一の橋」ってのは、いろいろな切り口があってわかりにくい。「高さ」に着目してみても、構造物の最高点(Wikipedia:List of tallest bridges in the world)と路面の位置(Wikipedia:List of highest bridges in the world)では、出てくる橋がまるで…

韓国の秘密基地

3年ほど前、韓国の光陽市と麗水市を結ぶ吊橋・イスンシン大橋(デザインによる技術発展)を、そのデザインに携わった日本人チームの一員としてたっぷり見学させていただいた。主塔や橋面に登らせてもらったり、これでもかと言うほどのレア体験を味わうこと…

ローマ人の仕事

ローマ人が二千年前につくった南フランスの水道橋「ポン・デュ・ガール」のアーチを下から見ると、つくりが異なる石橋が並んでいることがわかる。写真の左側(上流側)がローマ人の手によるオリジナルであり、右側(下流側)がナポレオン3世の命による修復…

取り外しが可能な橋

8月19日から23日までの期間、アムステルダムでは5年に一度の帆船まつり「SAIL AMSTERDAM 2015」が開催されている。まったく偶然のことだが、僕がアムステルダムに行った予定とビタッと一致してしまったために、様々なトラブルの元凶になったとともに、滅多に…