はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

観光

下調べが大事

エッフェルが設計した三日月アーチの鉄道橋「ガラビ橋」を見に行く際、比較的近くに「グランヴァルダム(Barrage de Grandval)」という風変わりなマルチプルアーチ(例えば豊稔池堰堤がこの構造形式)のダムがあることを知った。ほかにもいろいろと見に行く…

東北の美ダム

かつて秋田市の発展を支えた水源地の藤倉ダムは、1911(明治44)年から使われはじめて、1973(昭和48)年に引退した重力式コンクリートダムだ。堤体の直上に架かるトラス橋や右岸側の岩をぐるりと迂回する放水路などの周辺施設も現役当時の姿のままに残され…

エネルギー転換ツアー

すっかり時間が経ってしまったが、先週頭に福島県いわき市を中心とする一泊二日のモニターツアーを強行した。と言っても、あるモニターツアーに参加させていただくことに便乗して、こちらも裏テーマを勝手に設定してオリジナルのモニターツアーをかぶせてみ…

意図せぬ鳥撮り

千葉港では現在、毎週日曜日の夕方に『工場散歩人がご案内する「千葉港サンセット&工場夜景クルーズ」』が開催されている。思い起こせば、2007年に実施したプロジェクトの中でほぼ同様のコンセプトとコースでテストクルーズを実施した。それに参加していた…

コンテナ中華レストラン

久しぶりに時間ができたので、懸案だったシンガポールのコンテナ動画をようやく編集することができた。「Prima Tower Revolving Restaurant」という穀物サイロの最上部を改装してつくられた回転レストランからのタイムラプス動画だ。そこからの見事なコンテ…

コンテナビューホテル

シンガポールに来た最大の理由は、いまや世界の物流の核になったシンガポール港のコンテナターミナルを見ることである。来訪するまでにどこからどう見えるのかをいろいろと調べると、昨年末にオープンしたばかりの「The Westin Singapore」が急浮上した。僕…

富山のインフラツーリズム

昨年度の後半にお手伝いさせていただいた富山における「インフラツーリズム」が、富山県と土木学会中部支部の共同主催により、いよいよ実現することとなった。富山県土木部のみなさまを中心とした関係者の方々の熱意とご尽力に、心から敬意を表したい。 「と…

地底湖クルーズツアー

「OHYA UNDEGROUND 〜大谷地底探検と里山ハイキング〜」というツアーに参加した。これがもう、なにからなにまで素晴らしいツアーだった。これまで数多くの産業観光系ツアーに参加し、時には企画のお手伝いもしてきた僕からしても、このツアーの質感の高さは…

巨大ミニチュア

先週、福井を訪問する機会があった。高校生のときに修学旅行で永平寺や東尋坊に行って以来のことだった。申し訳ないことに、福井にはほとんどイメージがなかったのだが、なかなか興味深い街だった。 中でも一番気になったことは「歴史」に対する執着心。石垣…

インフラツーリズム情報誌

昨年の秋から頻繁に富山を訪れるようになった。「インフラツーリズム」という新しいコンセプトに基づいて、富山土木を観光対象として扱ってみようというプロジェクトに参加していたためだ。ちなみに上の写真は堀込み式港湾である富山新港の湾港に架かる新湊…

飛行機に泊まる

オランダ人のやることは、時々わけがわからない。でも、クレーンをホテルにしてしまうことに比べれば、旧ソ連でつくられて旧東ドイツで使われていた旅客機「イリューシン18型」を改造して、ファーストクラスなんてもんじゃないスイートルームに仕立て上げる…

ボートに泊まる

アムステルダムの運河にはたくさんの「家の船」が係留されている。それらにはちゃんと住所もあるし、水道や電気などのライフラインも通っている。以前から、これらの「ハウスボート」を体験してみたかった。そして、このお正月にようやく実現した。 水面が近…

クレーンに泊まる

今回のオランダ旅行は「取材」という名目で行ったため、様々な角度からオランダに再挑戦した。もちろん完全に自己負担なので、スケジュールや予算にはそれなりの制約があり、様々なコンテンツを貧乏くさく可能な限りみっちり詰め込んでしまった。泣く泣く外…

情報社会のドボク探索

先日、パリに住む友人がオランダを訪問するとの話を聞いたので、アムステルダムのオススメポイントを紹介した。あまりにもマニアックすぎて参考にならなかったと思うのだが、久しぶりにオランダのことを思い出してにやにやしていた。それが2回連続でダッチネ…

セメントツアー

山口の宇部・美祢・山陽小野田エリアで開催されている産業観光バスツアー「大人の社会派ツアー:第1章 セメントの道」に参加した。このツアーは僕らが千葉を舞台に企画したモニターツアー(読売新聞の記事)と同時期に開始されたものだと記憶しているが、し…

砂防の十種盛り合わせ

先月の前半、長野県小谷(おたり)村で開催された「ドボクアート砂防ダム巡りバスツアー」に参加した。これがとんでもなくキレキレのツアーでびびった。ここでしか体験できないというご当地プレミア感が満載で、すっかり興奮しまくり。そのツアーの模様は、…

赤ラインのダム

札幌の治水と利水の要である豊平峡(ほうへいきょう)ダム。今回の札幌出張に合わせて、強引にスケジュールに放り込んだところ、すでに様々な弊害を引き起こしつつある。やばいなーと思いつつも、現実逃避のためにとりあえずブログをしたためることにした。 …

ある少年の夏の日

昨日は「夏の奥利根ダムツアー」というセミプライベートツアーを開催した。『ダム』著者の萩原さんの企画・案内と、独立行政法人水資源機構のご協力により、奥利根のダムを巡るスペシャルツアーだ。今回はスケジュールなどの制約が大きくオープンなツアーに…

砂防鑑賞

美瑛町の「青い池」に行ってきた。アップル社のMacOSのデスクトップにも採用された日本人写真家の手による超美麗写真のアレだ。日曜日の午前中に訪問し、すごい賑わっているなあと実感したのだけど、午後に十勝岳方向から戻って現地を通過してみると、1km以…

パリの日本橋

海外に行く際に、見どころを人に尋ねるのは、ごく自然な行動だと思う。そうやって人様に尋ねられると、こちらもよろこんで教えようとするのだけど、時々ハッと我に返ることがある。僕が紹介するラインナップは本当に楽しんでもらえるのだろうか、いくら何で…

余計な雪

昨年末、北九州→宇部→岩国→広島を巡った際に、20年来の念願が叶って「錦帯橋」を参拝することができた。ありがたやありがたや。 しかし当日は寒波が襲来しており、雪が舞う天候だった。こちらは資料としての記録写真を保持したいというのに、雪が画面に入っ…

インディーズ・ツアー

先週末は山口県宇部市の工業地帯をバスで巡る「ドボ年会」に参加してきた。「ドボ年会」とは全国各地の工場や土木構造物を愛でることを目的とした忘年会であり、「工場萌え」著者の大山顕さんの主催によるものである。一応忘年会らしく飲み会も二次会として…

信じがたい調和

たまには普通の観光情報を。 イタリアのリグーリア海岸にあるリオマッジョーレという村は、色とりどりの家が急斜面にびっしり貼り付いる。その混沌は不思議な調和を生み出し、現実感がない風景の中に身を投じることが出来る。 この村の路地は、車はもちろん…

首都高バスクルーズ

先週末の土曜日は、首都高速道路株式会社が主催する「スカイバスで行く首都高スペシャルトンネルバスツアー&首都高社員ここだけのトンネル話パーティー」に参加させていただいた。内容はやたら長いタイトル通りで、屋根なし2階建ての「スカイバス」で首都高…

愛される白いアーチ

前回に引き続き、マイヤールが設計したサルギナトーベル橋。1930年につくられたこのコンクリート橋は、アーチのスパンと谷の深さがともに90mというかなり大きな規模の3ヒンジアーチ構造で、幅員は3.5mと狭い。鉄筋コンクリートという新しい材料の可能性を一…

スイスダム巡礼

スイスには橋梁巡礼に来ていると言ったけど、実はもうひとつ大きな目的がある。それはダム巡礼。萩原さんの素晴らしい記事(スイスのダムめぐり・前編、世界一のコンクリートダムを見てきた、ジェームス・ボンドがバンジーしたダム)を拝見してからスイスの…

近代デザインの聖地

デザインに関わる者として、この地を訪れないわけにはいかないだろう。そして、教科書と同じ構図の写真を撮らなければならないだろう。そんな義務感を感じながらバウハウス・デッサウを訪問したのだが、案の定がっちりはまって大興奮。なんだかんだで聖地巡…

アントワープの港クルーズ

まるで真夏のような強い日差しが照りつけたイースター休日に、工業都市としてのアントワープを満喫できる港クルーズ(Flandriaホームページ)を楽しんできた。 10:30発1.5時間のショートハーバークルーズと、14:30発2.5時間のロングハーバークルーズが用意さ…

本気の港クルーズ

ヨーロッパ最大の港をめぐるクルーズ(Spido:Rotterdam Harbour Tour)は、かなり本気だった。ただでさえ船からの視線は面白いというのに、船舶、橋梁、コンテナ、浮きドック、ガントリークレーン、倉庫などの港湾アイテムを惜しみなく披露してくれる。エキ…

優れた視点場

四日市市内を流れる三滝川の河口付近には、およそ500mほどだろうか、国道23号の大正橋から河川管理用通路が延びている。そこから眺める対岸のコスモ石油四日市精油所の景観はかなり素敵なことになっている。視対象となるプラント群の偉観はもちろんだけど、…