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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

遺跡の見せ方

夏のアルプスツアーの目的のひとつに、Marte.Marte Architektenによる橋があった。調べているうちに、どうやらローマ時代の遺跡を絡めた「Freilichtmuseum Römervilla」なる耐候性鋼板でつくられたモニュメントがヒットしたので、ついでに見に行ってきた。こ…

三国国境

なんともビシッとしていない石碑を境に、左奥がオランダ、右の林がドイツ、手前がベルギーに分かれている。「B」の文字が見えることがその証左。「1032」の意味は知らないが、見えない側にはやはり素っ気なく「NL」「D」と書かれているよ。なお、写真左奥に…

橋マニア疑惑

昨日、職場に出入りしている本屋さんから、カルロ・スカルパの作品集を勧められ、あっさり購入した。つい先ほども休日出勤の疲れを癒やそうとニヤニヤ眺めていた。やっぱり僕は大好きだなあ、スカルパの空間構成や素材の扱いやディテールの造形が。 前にも書…

モーゼの奇跡の顛末

僕が2011年にオランダを離れてすぐに話題になった(ArchDiaryの記事)濠の水面の下を歩く体験ができるという「モーゼ橋(Moses Bridge)」を観るために、西ブラバント・ウォーター・ラインのFort Roovereという稜堡を訪問した。なんで僕が住んでいるときに完…

ドボク遊具

新潟県妙高市にある「万内川砂防公園」に、強烈な魅力を放つ遊具があった。砂防堰堤の水通しを模したと思われるジャングルジム複合すべり台だ。ここでドボク情操教育を受けて育ったこどもたちは、きっと日本の国土全体を俯瞰的に捉えられるようになるだろう…

景観公園

4年前に撮った写真をあらためて見返しても、ルール地方のデュイスブルクにある「ランドシャフトパーク」はすごい。日本語で言うと、「景観公園」だ。ここは1985年に操業を停止したテュッセン製鉄所の遺構を利用している公園で、斜め上を行く様々な施設が盛…

本当に純粋な階段

現在千葉市美術館で行われている『赤瀬川原平の芸術原論展』(会期:2014年10月28日~ 12月23日、オフィシャルサイト:こちら)は、必ず行くべき展覧会だよ。開催の「前日」に訃報に接したときは、そのニュースすら作品の一部なのでは?と思ってしまったが、…

砂防ランド

長野北部方面を訪問する際、休憩がてらチラッと寄り道ができるところを探していたら、新潟県の妙高市に「万内川砂防公園」という情報を見つけたので、なにはともあれ行ってみた。これが予想をはるかに超える素晴らしい場所だった。大正から現在までに整備さ…

広場の変遷

昨晩、おそらく10数年ぶりに映画「ニュー・シネマ・パラダイス」(完全オリジナル版)を鑑賞した。シチリアの小さな村を舞台に、やがて映画監督として大成するけれど人としての出来はいまひとつなトトの成長が丁寧に描かれている映画である。エンニオ・モリ…

水の砦の現在

オランダは海抜より低い土地が国土の4分の1もの面積を占めているらしい(どの説が本当なのか未確認)。この環境のために発達した特異な防衛システムが「ウォーターライン」というもの。いざというときに水門を開放して土地を水浸しにすることで外敵の侵入…

ピカピカ高炉

ようやく北九州市にある「東田第一高炉史跡広場」に行ってきた。日本の製鉄黎明期を支えた高炉が、記念碑として保存されている希有な事例である。 以前よりこの存在は知っていたのだが、いまひとつ見に行く気になれなかった。なぜなら、すべてがきれいに塗装…

みなみあいきちゃん

南相木ダムは、色白でプロポーションの良い、若さ溢れるアイドルである。名前もそれっぽいし。しかも、なんだかエキゾチックで謎めいた魅力も漂わせていて、思わず将来が楽しみになる超大物の雰囲気を振りまいているんだよね。 ダム下流は「ウズマク広場」と…

浮かれ武甲山

ふと気がつくと、1泊2日で秩父方面のダムを巡ったゴールデンウィークから、もはや3ヶ月も経過している。すっかり老け込んでしまったのであろうか、このところの時間の流れの速さには驚くばかりである。いや、本当に驚くべきは、せっかく素敵なものをたく…

ネガティブマウンド

このところ採石場ネタが続いているので、さらにもうひとつ。 先月札幌に出張に行った際、「石山緑地」という採石場の跡地を活用した公園に行ってきた。もう15年くらい前になると思うが、はじめて訪れたときには、すごく感激した記憶がある。特に露岩した切羽…

鋼列柱

トリノのある教会を見るために中心部から北西方向にトラムで行ってみるたのだけど、周辺の状況はまったく調べて行かなかったので、そこに広がる光景はまったく想像していないものだった。 錆止め色の柱が果てしなく広がっている公園は、とても印象的な空間が…

建築ランド

ドイツのヴァイル・アム・ラインというスイスとフランスに接している街に、デザイナーズチェアの生産で有名なヴィトラ社の工場がある。ここは有名建築家の作品がごろごろしている建築マニア垂涎の建築テーマパークになっている。建築に疎い僕でも十分面白か…

巨大重機祭り

大事なことを書き漏らしていたことに気付いた。1ヶ月以上前のことになるが、デッサウへ行ったのはバウハウスの見学のためと見せかけていたのだけど、真の目的は「フェロポリス」を訪れることだった。 ここは、かつて露天掘り炭鉱だった場所を産業テーマパー…

森の中の空中回廊

ヨルグ・シュライヒが設計したシュトゥットガルトにあるケーブルネット構造のLodzer歩道橋は、アプローチ部分も素晴らしい。ここを歩くと、まるで森の木々の間を浮遊しているような不思議体験が得られる。 結構な高低差を長い延長のスロープでつなぐために線…

ツォルフェアアインの多様性

エッセンのツォルフェアアイン炭鉱はかなり広い上に、様々なコンテンツが詰め込まれているので、しっかり満喫するには丸1日かかるよ。こちらの案内図(pdfファイル)を見ていただくとわかるように、大きく3つのエリアに分けられている。 メインは赤で示され…

親しまれる工場

ドイツのデュイスブルクにあるランドシャフトパーク(Das Otterhaus 【カワウソ舎】:ランドシャフトパーク)に行ってきた。先日訪れたフェルクリンゲンと同じように、閉鎖した製鉄所を保存・活用した有名な事例。この2つを今月立て続けに体験してきたので…

大通比較

先週末はずっと名古屋にいた。ちょっと体調というか気分が悪かったので、仕事をさぼって久屋大通公園でも散歩してみようと思い立った。 久屋大通は幅が100mくらいで両側が道路、中央が公園になっている断面構成から、札幌の大通公園にそっくりなんだろうなと…

海上の半月板

海ほたるに設置されている半月状の巨大なオブジェ。アクアラインの建設記念碑として、海底トンネルを掘ったシールドマシンのカッターヘッドを復元したものだ。ぴかぴかのステンレスでつくられたボディは、かなりでかくて圧倒される。 土木のスケールを間近で…

構造設計家

シュトゥットガルトにある、道路で分断された2つの公園をつなぐ歩道橋。橋梁ではなかなかお目にかかれない「ケーブルネット構造」という形式だ。ネットにはブドウのつるが絡まり、緑に覆われる予定なんだそうな。僕が見たのはだいぶ前のことなので、今はど…

去りゆく老兵

デンマークの鉄道用海底トンネルの坑口付近に、その建設で使われたトンネルボーリングマシンのカッターヘッドが展示というか放置されていた。 人によっては、ただの汚い鉄の塊に見えるかもしれない。しかし、幾何学的な形態や錆びた表面は美しさを帯び、遺跡…

チバ・シティ

「港の空の色は、空きチャンネルに合わせたTVの色だった。」サイバーパンクの決定版として名高いウィリアム・ギブスンの小説『ニューロマンサー』の冒頭には、こんな風に千葉港の情景が描かれている。この小説が書かれた80年代の前半、工業地帯はまさに…