はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

おとしぶた

本日、札幌を出発して羽田に着陸する飛行機は、D滑走路に降り立った。その前に、僕が座っていた機体の左側に、京葉コンビナートの眺めが広がっていた。この埋立地は近づいて眺められるポイントがとても少ないので、ちょっと興奮してしまった。 原油タンクの…

かげのカーブ

昨年の札幌訪問時に少し時間が空いたので、サイクルシェアリング「ポロクル」を利用して、かつて自分が設計に関わった「北郷通こ線橋」を数年ぶりに見に行った。 桁下に自転車を止めて周囲を歩くと、すぐに側道上空をスパイラル状に跨ぐスロープが落とす影に…

レガシー

「レガシー」という言葉はスバルのレガシィが真っ先に思い浮かぶこともあり、オリンピックなどの文脈で使ったことはない。まあその前に、なんとなくではあるけれど、個人的には「遺産」のイメージが先行してしまうので、現役施設に適用することをためらっち…

イタリアの造形

完全な主観ではあるけれど、イタリア人の造形力って特別にすごいと思う。街中に溢れる具象彫刻はもちろん、建築物も、自動車も、彼らが生み出してきた立体物の造形には、ついついうっとりさせられてしまう。 ネルヴィが設計したパラッツェット・デッロ・スポ…

入りたかった体育館

なんとなく体育館ネタが続いているついでに、まだアップしていなかったネタを。 2011年のクリスマスの日に、バチカンのサンピエトロ広場でローマ教皇のお言葉をいただいた後に見に行ったパラロットマティカ(PalaLottomatica)という競技場。1960年のローマ…

三角体育館

丹下健三とタッグを組んで数多くの名建築を生み出した構造家・坪井善勝が、単独で設計した体育館が下関にある。1963(昭和38)年につくられた下関市体育館は、全体を通じて三角形の変奏曲といった雰囲気が生み出されていて、そのフォルムはスター・デストロ…

舟の行方

『100均フリーダム』の著者である内海慶一さんの「唐突感こそが、香川県立体育館らしさなのだと思う。」というツイートを見て、「しまった」と思った。丹下健三によるこの体育館は3年前に立ち寄ったことがあるのだが、屋根構造を反映した奇抜で圧倒的なフォ…

地下へのいざない

押上<スカイツリー前>駅のA1出口は、やんわりとしたカーブが見事だよ。先の見通しがきかないことって不安感を抱かせることが多いように思うけど、ここは期待感を持ってしまう。 そういえば地下鉄の出入口って、「出口」と呼ぶのはなんでだろうか。単純に管…

アルプスの道

オーストリアの狭隘な谷をレンタカーで走ったとき、いやこれムリ!って思った。だって、素掘りトンネルの断面にぴったりサイズのバスが、それほど速度を落とさずにずんずん走ってくるんだよ。恐怖を越える感動を味わうことができたな。 この写真は、Schanerl…

ひねる理由

昨年の夏、オーストリアのドルンビルン川に架かるSchanerloch橋というかっこいいコンクリート橋を見に行った。桁下面がねじられた造形になっていたのだが、現地を観察してもその理由がよくわからなかった。もしかしたらエンジニアリング面での理由はなく、オ…

生活の中の高速道路

交通手段の速度が上がるにつれて、道路は必然的に人の生活との関わり合いが減っていく。両者の時間と空間のスケールは、どうしても乖離する方向に行くからね。ところが、関わり合いをなくす努力をした結果、一周回って高速道路を人の生活に取り込んじゃった…

帝国軍のホーム

帰宅してみるとスター・ウォーズ外伝の「ローグ・ワン」のBDが届いていたのだが、観るかどうか迷っている。年度初めの疲労感がピークに達しているため、途中で寝てしまうことが容易に想像されるためだ。この映画は極めて切ない気分になるので、そのまま夢に…

初セスナ

ある雑誌の原稿を書いた流れで、航空写真の撮影に同行させていただいた。なんと、4人乗りのセスナ機の助手席に。助手席と呼ぶのかは知らないけど。役得ってこういうことなんだね、30分間のフライトをみっちり楽しんじゃった。 晴天に恵まれて撮影はバッチリ…

雨中の大型新人

先月の熊本旅行では、三角ノ瀬戸を跨ぐ「新天門橋」(仮称)の仮設現場を見に行った。鋼中路アーチ構造とPCラーメン構造を複合させた、とてもかっこよくなりそうな長大橋だ。 完成はアーチリブをつくるための斜吊タワーとケーブルクレーンタワー、架設が済ん…

南国の空中歩廊

今年の年始に行った2度目のシンガポールでは、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの上空に架かる吊橋「スカイウォーク」を体験することができた。前回は意気込んで現地まで行ったのに、風雨のため直前で閉鎖されてしまったため、ようやく念願が叶ったことになる。 …

まちの記憶の更新

熊本市役所のすぐ近くのアーケード街にひょっこり姿を現した「ダンメン」が、たいへん見事で感激した。通行人の多い繁華街だったので視線が若干気になったんだけど、しばらく佇んでじっくり鑑賞せざるを得ない迫力だった。 建設以来はじめて露出したであろう…

清正への挑戦

熊本地震の直前に放送されたブラタモリに登場した「鼻ぐり井手」を見に行った。1608(慶長13)年、新田開発のために加藤清正がつくったとされる農業用水路の施設であり、穴の空いたフライングバットレスのような壁が連続しているものだ。水路を流れる水に渦…

クレーン・フェス

市電に乗って熊本の交通センター(バスターミナル)の脇を通ったところ、あたかも熱気に包まれたフェスが行われていると錯覚するほど、数多くのクレーンやパイルドライバがじゃんじゃん稼働していた。そりゃもう、かっこよさにしびれるよねえ。その時は別の…

ドーナツターミナル

ヨーロッパの玄関口のひとつ、パリのシャルルドゴール空港はなにかとチャレンジング。1974年の開港から一貫してポール・アンドリューという土木出身の建築家が手がけており、それぞれ特徴があるターミナルを年代を追って楽しむことができる。 その中でも最も…

ステキ階段

建築空間において、階段はたいへん魅力的な存在だよねえ。表情豊かな造形という点でも、移動による視点の変化でも、昇降するという意味においても。もちろん、建築家はそれを強く意識しながら、腕の見せ所と言わんばかりに力が入りまくるのだろう。チューリ…

コロッセオ

大橋ジャンクションのループの内側は、首都高の管理施設や換気塔の他に、目黒区が管理している「オーパス夢ひろば」という多目的スペースがある。4層ループの巨大な壁面に囲まれているだけに、アーチダムの下流面も似た、とても魅力的な空間が形成されている…

空中庭園

大橋ジャンクションは施工時に3度ほど見学させていただいたのだが、完成後にじっくり見たのは本日が最初。正確には先月はじめにチラリと下見したんだけど。このジャンクション、道路とその付帯設備の他に、2つの高層ビルの中に住居の他にも商業施設、事務所…

現地に行ってみよう

6年前の巨大地震をきっかけに、福島第一原子力発電所の事故が起きた。メルトダウンや放射性物質の拡散というきわめて深刻な事態が引き起こされ、刻々と状況は変化しているものの、いまだに収束していない。そうしたことから、多くの人が「恐怖心」「不信感…

祭壇駐車場

墨田区北部には興味深い物件がごろごろ転がっている。その数があまりにも多く、時間あたりの距離が極めて短いことになってしまうので、まち歩きをする際には注意を要する。 この駐車場の路面標示は、妄想をかき立てられる。おそらく4つのマスを埋めると、何…

大大阪の気概

10年前に撮った地下鉄御堂筋線の淀屋橋の写真が出てきた。梅田駅と心斎橋駅も同様なんだけど、ヨーロッパの地下鉄によくある空間構成で、ドーム状の天井が特徴になっている。見通しが良く広々としていて、地下鉄駅ホームにありがちな圧迫感がほとんどない。…

鋳物とコンクリートと竹

昨日は墨田区北部を歩き回った。このエリアの探索は何度目になるかわからないが、訪問するたびに新鮮な発見が得られる。生活者が街の主役として直接的に介入している様相は、たまらない魅力を感じる。この人の手の存在が感じられる「下町感」とも言える独特…

巨大な箱

横浜の運河沿いの倉庫の壁面には、窓が一切なく、換気口がたくさん設けられている。その眺めはヒューマンスケールを確実に逸脱しており、そこが魅力のひとつと言えなくもない。 先週、不幸にも三芳で発生してしまった大規模倉庫火災は、鎮火に6日もかかった…

街の記憶

1ヶ月ほど前だったろうか。自宅の最寄駅のロータリーに隣接した一角が更地になっていた。生命保険の会社のビルだったと思うのだが、どんなビルだったか全く憶えていない。 日本において、多くの人に利用されている駅前の風景は、更新し続けているように思う…

構造の理解の仕方

多少なりとも橋梁設計に触れていた身からすると、映画や漫画の世界に登場する橋にびっくりすることがある。例えば、メインケーブルが切断されているのに全体が崩落しない吊橋、中央の橋脚によってやじろべえのようにバランスを保っているアーチ橋、橋脚なし…

ダム前の橋

カリフォルニア州のオロビル・ダムの非常用洪水吐きに大きな穴が発生し、さらなる大きな災害に備えるために大規模な避難命令が出されたことが報じられた。甚大な被害をもたらしかねないダム災害に思いを馳せていたところ、イタリア北部のヴァイオント・ダム…