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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

超巨大モノリス

チューリッヒでは様々な場所からやたらでかいコンクリートの箱がチラチラ見えて、なんとなく気になった。古い鉄道高架橋の桁下空間利用事例を見に行ったら、たまたまこれが通りの奥にチラリと見えたので、おそるおそる近づいてみた。 窓がないのでオフィスビ…

つぶれたおにぎり

先日訪れた栃木県鹿沼市にて、たまたまバスの車窓から見た案内標識。国道121号、国道293号、国道352号の3つが重複していることで、路線番号を示す通称「おにぎり」が6連になっている。これって珍しいんじゃないだろうか。少なくとも、僕ははじめて見た。ム…

緑の中の昇降

チューリッヒから電車で15分程度で行けるバーデンという街に、いろいろなミスを重ねてしまって1時間以上かけて到着した。お目当ては、市街地とリマト川の高低差を解消するリフト付き歩道橋。駅前の傾斜地につくられた人工地盤に接続している。 茶色のトラス…

駅前エレベーター橋

ボーデン湖畔のロールシャッハという街に、駅と駅裏の住宅地との高低差を解消するリフト付き歩道橋があるというので行ってみた。これが、ミニマルで雑味がない造形と仕上げの中に知的な色気を織り交ぜるという、いかにもスイスっぽいかっこよさを存分に体現…

穏やかな謎の国

5年前のスイス訪問時にもリヒテンシュタイン公国へ行った。しかし、さらっと通過しただけであり、写真すら一枚も撮っていなかったので、もしかすると本当は行っていないんじゃないかなどと思うようになった。このため夏のアルプスドボクツアーでは、ちゃんと…

世界遺産のお手入れ

地域を代表する産業遺産の保存活用は基本的に大賛成なので、先人たちの努力によって維持されてきた富岡製糸場には大きな興味がある。2007年に一度訪問した際、社会的背景なども含めてなんとなく理解したので、2014年に世界遺産登録されたことは、素直にうれ…

地域の材料

つい先日、宇都宮を散歩する機会があったので、すぐ近くに産地がある「大谷石」の使われ方を気にしながら歩いてみた。これまで何度か大谷資料館などの採掘場跡地を訪問していたので、倉や塀などの使用例が極めて多いことはある程度知っていたんだけど、思い…

都市内サーフィン

海岸から500kmほど離れた内陸都市のミュンヘンにあるエングリッシャーガルテン(イギリス庭園)の一角に、なぜかサーファーが生息しているという情報を、何年か前にテレビか何かで得ていた。アルプス訪問の際にそのことを思い出し、本当にそんなバカバカしい…

風変わりなトラス橋

オーストリア・チロル地方のブルーデンツという街の近くに架かる、Alfenz Bridgeという、風変わりなコンクリートトラス橋。先日紹介したSchanerloch Bridgeと同様に、Marte.Marte Architektenという設計事務所が手がけている。 河川の合流部に架けられている…

古い街の積み重ね

ケンプテンはドイツでも最も古くから存在しているクラスの街のようで、ネットで少し調べてみただけでも、ケルト人、ローマ人、ゲルマン人と、様々な民族がその歴史に登場してきたことがわかる。一時期はカソリック勢力とプロテスタント勢力に分断されて統治…

コンテナタワー

コンテナ好きとしては、チューリッヒに行くならどうしても立ち寄らねばならない重要な場所がある。それは、トラックの幌をリサイクルしたバッグで有名なブランド「フライターグ」の旗艦店。全部で19個の中古コンテナを用い、4層までは店舗、階段部は9層まで…

スパイラルスロープ

これまでも様々な立体駐車場の螺旋スロープを見てきたが、先日訪れたチューリッヒにも素晴らしい物件があった。フラットルーフと隣接するオフィス部分とのコントラストが効いた、ため息が出るほど整ったダブルらせんだ。別件をストリートビューで調べていた…

抽象彫刻発電所

ドイツアルプスの麓の街、ケンプテンにある2010年に竣工した水力発電所を見に行ってきた。地元の建築設計事務所のベッカー・アーキテクトの設計。たいへんありがたいことに、ケンプテンに住む友人の取り計らいで、施設のガイドツアーにも参加させていただく…

ブルータリズム教会

アルプスの山々に囲まれた深い谷にあるクール(Chur)という街で、コンクリートでつくられた面白い教会を訪問した。デジタルテレビのブロックノイズか、終盤で失敗したテトリスか、マインクラフトの世界で作り上げたのかと思うほど、なんとも荒々しい造形の…

大人の質感

チューリッヒ中央駅はもともと大きなターミナル駅であるが、2014年頃(未確認)には通過式の路線が地下につくられたようだ。それ以前にも改修に次ぐ改修が行われてきたんだろうね、順次拡張してきた痕跡が随所に見られる。 ところが、見た目や利用に関して、…

ハイキングデビューに関する反省文

昨日はスイスのフリムスという山岳リゾート地にあるTrutg dil Flemというハイキングコースを下った。本格的なハイキングのデビュー戦がスイスアルプス、しかも、スイス・ハイキング・アワード2014のグランプリを受賞した有名コースを歩くという、話す相手に…

渓谷を跨ぐ彫刻作品

オーストリアの山奥で、急勾配と急カーブの道をぐんぐん登り、すれ違いを許さない狭隘な素掘りトンネルをいくつもくぐり抜け、そこを走り抜けるフルサイズの路線バスにおののきながら、レンタカーを走らせた。そして、Marte.Marte Architektenという建築設計…

ミュンヘン地下鉄駅巡り

ミュンヘンの地下鉄の駅空間は、内装パネルや照明などによる演出がなされ、ユニークな空間がチラホラあることを、5年前の訪問時にうすうす気付いていた。ここ2日間のミュンヘン滞在はたびたび冷たい雨に降られているので、必然的に地下鉄駅巡りが最高の都…

オリンピックの話

僕もオリンピックを見に来た。でもリオデジャネイロではなく、1972年開催のミュンヘンオリンピックの会場に。軽量構造のスペシャリストであるフライ・オットーの代表作である膜構造の屋根を見るために。 昨年の春頃、ネット上でオットーの訃報を目にした。プ…

技術の重ね方

スイスのViamala渓谷に架かる吊床版橋のPunt da Suransuns。それぞれの部材が、恐ろしいまでに薄く、細く、単純。構造家のユルグ・コンツェットが手がけた橋梁は、ギョッとするほど極端に研ぎ澄まされたミニマル・デザインであり、その意味を理解して受け止…

アウトドア派の階段橋

5年前にスイスを訪問した際は、主にダムや橋を巡ったために、人里離れた山奥に行くことが多かった。そこでびっくりしたことは、トレッキングやサイクリングなどのアウトドアライフを楽しんでいる方々が、どこに行っても老若男女を問わずたくさんいたこと。 …

海岸の多層防御

昨日は21_21デザインサイトで行われている「土木展」のイベントとして、大山顕さんと「土木を愛する人たち」というタイトルのトークセッションを行った。大山さんのご提案により、展示のテーマにも掲げている「つなぐ、ながす、ほる、ためる」に含まれていな…

未来的避難所

日本海に沿って小樽と稚内を結ぶ「オロロンライン」は、北海道の雄大さを体感できる素晴らしい道路だ。特に道北のサロベツ原野をひた走る直線区間は、日本離れしたスケールをうんざりするほど堪能できる。 もちろん夏の晴れた日のドライブは最高な体験になる…

扇形の市場

1935(昭和10)年に開設された築地市場の建屋は、やんわりとしたカーブによる扇型が特徴だ。かつて最外周部分に敷かれていた鉄道によって決まったレイアウトと形状。建設当時は船と鉄道による輸送が絶対的な要件だったんだね。 汐留の高層ビルから見れば、陸…

擬窓

ミラノのドゥオモにアプローチする通りにて。 心ない落書きは、いくら僕でもそれなりに心が痛む。でも、落書きの消し方が雑すぎてさらに心が痛む。でも、そんな落書きも窓の部分は避けていて少しほっこりする。でも、よく見るとその窓は実物ではなく、ペンキ…

世界遺産へ

世界に点在するコルビュジエの建築群が世界文化遺産に登録されることになった。建築家や建築物の基礎知識に乏しく、世界遺産は旅先のついでに見る程度の認識しかない僕であっても、やはり近代建造物ファンとしてうれしい話だね。 上野の国立西洋美術館の個人…

リーファーコンテナ

機密性や断熱性が高く、温度調整が可能な冷却装置を備えたコンテナを「リーファーコンテナ」と呼ぶ。もちろん冷蔵や冷凍が必要な食料などを運ぶためのもので、その性能はどんどん向上しているらしい。 コンテナの眺めはそもそも魅力的であるが、これはさらに…

女王陛下のロックゲート

海外の土木構造物の情報をどうやって見つけるのかという質問を時々いただく。ネット上でしつこく探すという回答になるわけだが、それなりにコツというかカンが必要になる。ざっくりとは『ヨーロッパのドボクを見に行こう』の「第7章|ドボク旅行のテクニッ…

味わい深い木橋

愛媛県内子町にある山間の小さな集落に、「田丸橋」という屋根付きの木製歩道橋がある。1944(昭和19)年に架けられた木橋なのに、しっかり現役。構造部材の補修補強や屋根のふき直しなどの手が入りつつ、オリジナルの姿がちゃんと維持されている。雨をしの…

歩道橋付き堰

パリ郊外。セーヌ川に合流する少し手前のマルヌ川に、堰とセットになった「サン・モーリス歩道橋」が架かっている。路面全体が太鼓橋のようになっており、全体的にエレガントな雰囲気が漂っている。装飾も多いし。マルク・ミムラムが手がけた橋を見ると、フ…

巧まざる造形

わが家の近所には、スケールの小さいけどゲリラ豪雨によってたまに氾濫してしまう「草野水路」がつくりあげたスリバチ地形がある。最近久しぶりにこのあたりを散歩し、スリバチの底と縁では風の温度や湿度が全く異なることが体感できた。そこに架かる「小仲…

夏のお出かけ

みんな、この夏は欧州にドボクツアーに行くといいよ。為替レートの動向次第では、とてもお得感があるツアーになるんじゃないかな。もちろん、その際に携行する旅行ガイドブックは『ヨーロッパのドボクを見に行こう』で決まりだね。 僕は今年の夏、ドイツ、オ…

土木展

六本木ミッドタウンにあるデザインミュージアム「21_21 DESIGN SIGHT」にて、ついに『土木展』が本日からはじまった。昨日行われた内覧会にて、素晴らしい内容に仕上げられていることを、この目で確認することができた。土木に興味がある人から興味がない人…

縄文式体育館

秋田のびっくり建築「秋田市立体育館(愛称:CNAアリーナ★あきた)」の続き。外部も内部もクセが強すぎて、あっという間に感覚が麻痺していく気分を味わった。これは、バーゼル近郊の第2ゲーテアヌムで体験した感覚に近いかもしれない。質的には大きく異な…

透かしブロックの用例

『街角図鑑』の「透かしブロック」の項を眺めていて、建築材料として盛大に用いている例をふと思い出した。秋田市立体育館(愛称:CNAアリーナ★あきた)のエントランスホール部だ。 階段や通路の側壁に、「松」と呼ばれている透かしブロックがみっちり配置さ…

国境を越える過剰な橋

マルク・ミムラムがデザインした、歩行者と自転車のための「Passerelle des Deux Rives」という斜張橋。直訳すると「両岸をつなぐ歩道橋」というストレートで当然な意味になっちゃう。まあこれは、ライン川の両岸にあるフランスのストラスブールとドイツのケ…

スイスダムツアー

【本ツアーは中止となりました。。。残念!!(追記:6月30日)】 お知らせのタイミングが少し遅くなってしまったが、素晴らしいツアーが行われようとしている。その名もずばり、『スイスダムツアー(JTBのチラシのpdf)』だ。もちろん監修は『ヨーロッパの…

がんばれ橋脚

先日、ものすごく無理しつつも必至に桁を支えている橋脚を、新宿で見た。これほど見た目に限界付近で耐えていることが理解できる橋脚は珍しいので、どうしたって応援したくなるよねえ。そんなことを一緒に歩いていた方々に興奮しながら伝えたのだが、あまり…

一周年、そして「土木展」

おかげさまで『ヨーロッパのドボクを見に行こう』は、発売から一周年。日頃のご愛顧、まことにありがとうございます。未見の方は、ぜひともお手にとっていただき、欧州の素晴らしいドボクの数々を、無駄にハイテンションな解説でお楽しみいただけると幸いで…

ミムラムのアーチ

ル・アーヴルの写真を見返していたときに、マルク・ミムラムがデザインしたプレキャスト・コンクリートの連続アーチ橋の存在を思い出した。ノルマンディー橋のアプローチ部分にあたる高架橋だ。アーチリブのリズミカルな連続感、スパンドレルの微妙なカーブ…

火山的建造物

フランスのル・アーヴルという街には、5年前に「ノルマンディー橋」を見るために宿泊地として立ち寄った。鉄筋コンクリートの団地が建ち並ぶこの街自体が世界遺産に登録されていることは耳にしていたが、それほど期待も予習もしていなかった。ところがとてつ…

雨水のリズム

これほどの水汚れはなかなかお目にかかれない。下見板のように断面が斜めになっている塀の上に載せられた瓦を伝った水滴が、長い時間をかけてリズミカルで柔らかい文様を描いている。水平方向の段差によるシャープな陰影とのコントラストがいいね。富山県氷…

水が描いた縞模様

札幌で見かけた微妙にゆるい縞模様が描かれた壁面。線路をくぐるトンネルにアクセスするスロープなんだけど、おそらく設計者は意図していない模様だろう。 この擁壁の外側はレンガ風タイルによって化粧されており、結構な厚さの天端にも同じ素材がみっちり貼…

美麗トンネル写真集

日常的に通っている地下鉄のトンネルなどの様子を、日常とは思えない過激さを伴う幻想的な風景に仕立て上げた写真集『軌道回廊』(徳川弘樹、実業之日本社、2,800円+税、B5判104ページ)が出版された。 それぞれの写真に描かれている情報密度の高さ、完全人…

インテグレーション

先週はローラン・ネイの話を直接伺う機会がいくつもあった。その中で彼は、随所に「インテグレーション」という言葉をちりばめていた。前回に引き続いて、再びアムステルダムのフルハトハーフェン橋(Vluchthavenbrug、2012)を眺めることで、彼の「インテグ…

講演会雑感

先週の土曜日は、写真家の柴田敏雄氏と構造デザイナーのローラン・ネイ氏の対談講演会を聴講した。品川のキヤノンギャラリーで開催されていた写真展「Bridge」に関連したものだ。 講演の内容から察するに、柴田氏は請け負い仕事を滅多にしないようだけど、ネ…

建築の変態本

またしてもステキな建築写真集を手に入れたので、取り急ぎメモを残しておく。変態(アブノーマル)ではなく、変態(トランスフォームやメタモルフォーゼ)の話。 この写真集に登場する近代建築物は、シェルター、キオスク、戸建て住宅、教会、団地、高層ビル…

中央構造線上砂防

ふとしたことをきっかけに、何年か前にどこかの山の中を走行していたら、不意に目の前に荒涼とした風景が広がり驚いたことを思い出した。その時すぐに車を止めて砂防堰堤の写真を撮った気がしたので、つたない記憶をよろよろ辿り、ようやく見つけた。 少し調…

かわいいドボクサイン

先月末に行われた『土木展』のミーティングで、メイングラフィックを担当されている柿木原さんのプレゼンで、ポスターの中に描かれている「土木の行為」のアイコンも解説してくださった。その時に会場から「かわいい」という声がチラホラ聞こえてきた。そう…

再生煙突

ロンドンを訪れている大山顕さんのツイートにより、驚愕の情報がもたらされた。長い間放置されていた有名な都市内廃墟物件の「バタシー発電所」の4本煙突のうち3本がなくなっているというのだ。ちなみに上の写真は、2011年の放置状態の様子。 バタシー発電所…