はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

認識

街の記憶

1ヶ月ほど前だったろうか。自宅の最寄駅のロータリーに隣接した一角が更地になっていた。生命保険の会社のビルだったと思うのだが、どんなビルだったか全く憶えていない。 日本において、多くの人に利用されている駅前の風景は、更新し続けているように思う…

構造の理解の仕方

多少なりとも橋梁設計に触れていた身からすると、映画や漫画の世界に登場する橋にびっくりすることがある。例えば、メインケーブルが切断されているのに全体が崩落しない吊橋、中央の橋脚によってやじろべえのようにバランスを保っているアーチ橋、橋脚なし…

世界遺産へ

世界に点在するコルビュジエの建築群が世界文化遺産に登録されることになった。建築家や建築物の基礎知識に乏しく、世界遺産は旅先のついでに見る程度の認識しかない僕であっても、やはり近代建造物ファンとしてうれしい話だね。 上野の国立西洋美術館の個人…

更新履歴の可視化

これまで何度も高岡を通過したのだけど、落ち着いて向き合う機会はなかったのだけど、ようやく街を散策することができた。やはり、内川や氷見と同じように、ダンメン天国だった。 その中でもびっくりした物件が上の写真。側面にダンメンが現れていることはい…

かわいらしい

「かわいらしい」というという言葉は、「かわいい」という言葉ほどではないにせよ、人によって感じ方や捉え方が大きく異なると思う。特に工場のような負の固定概念が入り込みやすい対象には適用しにくい気もする。でも、上の写真のような色づかいやその組み…

ドボクシャッハテスト

この写真がいったい何に見えるだろうか。 新興住宅地の家並みに見えた人は、無意識の中に幸せな家庭への強いあこがれがある。海外の墓地に見えた人は、遠い祖先のご加護を受けていることをもっと意識してこの壺を買うべきである。とか。 そんな感じで、土木…

コレクション大会

昨年末というか先週あたり、少し時間的精神的な余裕ができたので、過去に撮った写真の共通点をムキになって掘り起こしてみた。そして、それらの写真をハッシュタグをつけてツイートしまくってみた。例えば「ステキ倉庫」「ゴージャス避難階段」「室外機コレ…

量が生み出す価値

「量より質」はある場面では正しいと思うけど、それって結果の話なんじゃないかな。特に何かの価値を生み出そうとする場合、「量から質が生まれる」ことの方が正しいんじゃないかと思う。それどころか「圧倒的な量は、質そのものになる」という気もするな、…

異質な存在

都市の中には、異質さを禁じ得ない施設がたくさんある。例えば、巨大駐車場や物流倉庫や各種タンクなんかがそれに該当する。僕はそれらをなんとなく気にしていたのだけど、あらためて自分のアルバムを振り返ると、なにかのついでという状況で、かなりたくさ…

見方を変えるトレーニング法

ものの見方を変えるという行為は、様々な場面でとても重要になる。何かをデザインするときや、アイデアを生み出すときなどはもちろん、見方を変えることによって気分を高めたり、生活を楽んだりすることだってできる。吸収力が高い若い方々に向けて、僕は折…

やんちゃ都市

レクサスブランドのコンパクトSUVとして登場した「NX」のCMは、ロッテルダムの街が舞台になっている。ちょいちょい登場する斜張橋はもちろんエラスムス橋だし、最後の赤パンツのシーンはオランダ建築協会(NAi)だし。そして泡まみれになるシーンは、どうや…

愛せない橋

オランダには、かっこいいのかかっこわるいのかわからないのに、妙に引かれるデザインがたくさんある。つまり、自分の中にある「ものさし」で図ることができない価値を、混乱とともに突きつけられるのだ。それを繰り返していくと、自分の中の「ものさし」が…

トンネルの外皮

トンネルを通るとき、そこは「内部空間」であると認識すると思うけど、それは正しいのだろうか。「内部」があるということは、「外部」があるはずなので。むしろ大地の「外部」なんじゃないか。 なんてことを考えて、わけがわからなくなり、どうでもよくなる…

東京側25m

下関駅で見かけたトイレのサイン。もちろん間違ってはいないのだけど、そのスケール感覚はどうなんだろうか。山口県民あるいは長州人にとっては、通常の感覚なのかしら。

日常への挿入

呉にある海上自衛隊呉史料館「てつのくじら館」には、実際に稼働していた潜水艦の「あきしお」が展示されている。日常生活の風景に、普段は水の中にいるはずの、しかもその全貌を見ることなどあり得ない異物が挿入されている。写真右側にはショッピングセン…

団地ノスタルジー

先日の札幌出張では少し早い便に搭乗して、かつて住んでいた琴似という街に行ってきた。時々行っていたスープカレー屋でランチをして、その後に琴似の街をぶらりと散歩した。ラーメン屋、焼き肉屋、居酒屋、喫茶店など、当時よく行っていた店舗がまだ営業し…

横たわったピクトさん

金沢の街中で見かけたママチャリで疾走するピクトさんと、その脇で横たわるピクトさん。 当然のことながら自転車用車線と歩行者用車線の表示であることは容易に理解できるのだが、自転車ピクトさんと歩行者ピクトさんを見る方向が異なっているので、一瞬戸惑…

ザハ

新国立競技場の超豪華国際コンペで、イラン生まれイギリス在住の女流建築家であるザハ・ハディドの案が最優秀賞に選ばれた。ファイナリスト案を見て以来、個人的にはうっすら期待していたんだけど、「まさか!マジか!ホントに選びやがった!」と思った。審査…

知覚の反転

最近、ガチガチに硬いはずのコンクリート製の消波ブロックが柔らかいものだと感じてしまうようになり、たいへん困っている。我が家のリビングに、大小7つの「テトぐるみ」が転がっているせいに違いない。あの形に対する自分の中のプロトタイプが、知らぬ間に…

ヴェネツィアの顔

ヴェネツィアの細い路地を歩いていると、視線を感じた。振り返ると、そこには石版でできた呼び鈴が。このようなレイアウトは、確実に人の顔に見えてしまうよね。一度そう思ってしまうと、ヴェネツィアはそんな人たちだらけなことに気付く(FBアルバム:ヴェ…

オーバーパース

フランス東部の国境の街、ストラスブールの郊外にあるパークアンドライドのトラムターミナル。イラク出身の建築家ザハ・ハディドが設計したもの。絵心のない人が頑張ってつくったフォトモンタージュのように、画面左下の人と車のパースがおかしなことになっ…

音楽と建築

先週の水曜日、自宅から歩いて10分程度の教会で行われた alva noto + ryuichi sakamoto "s" tour は、想像をはるかに超えてとんでもなく楽しかった。なんで坂本龍一はアムステルダムでもロッテルダムでもなくアイントホーフェンを選んだんだろうね。不思議だ…

色とりどりの箱

高度に規格化されたコンテナには地域性など全くないと思っていたのだが、これは妙にオランダっぽく感じた。オレンジがベース色になっているからかな。コンテナの集合ってやっぱりかわいい。

欧州で工場萌え

念願かなって、ようやく欧州で工場鑑賞をしてきた。巨大な石油化学コンビナートが形成されているベルギーのアントワーペン、すごくいいところだね。ダイヤモンドとルーベンスとフランダースの犬だけじゃないよ。アイントホーフェンからは100km弱なので、これ…

空間のゆがみ

Erasmusbrugの桁が上がっているときに橋面に行くと、空間がゆがんでいるように感じて、軽くトリップできるよ。これは、橋と川が斜めに交差していることにより床板の平面形状が平行四辺形になって、さらにそれが斜めに持ち上げられているから。このアーチ橋の…

倒錯

ヨーロッパの観光地化された古い街並みを歩いていると、ふとディズニーランドとかのテーマパークに来ているような感覚に陥り、すべてが張りぼてに見える瞬間があるな。そこにはリアルな生活があるはずなのに。 自分の目が鍛えられていないことの証なんだろう…

いろいろやっちゃった橋

ある有名建築家がデザインした二連のアーチ橋。恐竜の骨のごとく、鋼板が有機的な造形に加工されている。どことなくカラトラバっぽいが、よく見るとそうではないことがすぐわかる。 かつて、ある週刊誌がこのデザインを痛烈に批判した。そして、その記事が名…

勝手に橋の名前を募集します

東京港臨海大橋(仮称)の名称をこちらのページで募集している。かっこいい橋にふさわしい、かっこいい名前になるといいね。 個人的には仮称のままでもいいのだけど、何らかの意思表示を主催者側に伝えておきたい。そこで、良識あるみなさまの考える名称をう…

地形の記憶

父親の仕事の都合で、幼年期に長野県松本市で過ごしていたことがある。数年前に松本を訪れたついでに、30年以上前のかすかな記憶を頼りに市内を散策してみた。 行く前は色あせた断片的なシーンしか思い出せなかったのだが、現地に行ってみると“かつて自分…

浮かび上がる線

夜のジャンクションで長時間露光を行うと、肉眼では見えない線形が見えてくる。なかなかのファンタジー。

不思議な夜景

縁があって、また四日市を訪れている。今回もコンビナートのいろんな表情を見ることができて、かなり楽しい。工場の夜景を撮る時間も得て、さらにテンションが上がった。なにしろ、写真は肉眼では見えないものが見えるものね。この不思議な感覚は工場の写真…

夜景はきれいに見える

横浜に行ったついでに、川崎に立ち寄った。昼の工場に比べて、夜の工場はきれいだと感じる人は多いように思う。雪と同じように、汚いものを隠すからなのかねえ。いや僕は昼も好きだよ。

ドボク情操教育

先月京都に行った時、琵琶湖疏水の水路やインクラインや記念館などを、じっくり時間をかけて散策してきた。知識としては少しあったのだけど、実物を見て触れると理解が進むね。明治の人々の偉大な仕事を感じることができて、ほんとによかった。 その道中、随…

空の見方

鉄塔と送電線は空を引き立てるための名脇役なのだ、と言い切られた。 なるほど、自分はこれまで送電鉄塔を主対象として凝視し、空は背景として切り捨てて見ていた。 それが、主役は空で、それに奥行とかスケール感を与える補助をするのが送電鉄塔だと。 送電…

駅前タワー

東京タワーにはブームがあったけど、京都タワーにもあるのかな。ゆるキャラのたわわちゃんとかいるから、ありそうなもんだけど。

擬態

化粧型枠による石積み風のコンクリート壁面。フォトショップでコピペしたような同じパターンの繰り返しは、人工感を揺るぎないものにしているんじゃないか。

門をくぐる

ちゃんとした門をくぐるときには緊張や高揚を感じることがあるけど、船に乗って水門をくぐる体験は格別だよ。 巨大な鉄の平面は、その圧倒的な質量で通る者を静かに威嚇してくる。非常時にはギロチンのように水路を遮断し、とんでもない水圧に耐えて街を守っ…

街の中の巨大コンクリート塊

住宅都市整理公団の大山さんが企画した大橋ジャンクション見学ツアーに参加させていただいた。大橋ジャンクションとは、現在建設中の画期的なジャンクション。狭い土地の制約の中で、地上の高架橋と地下のトンネルを結ぶジャンクションのため、かなり無茶を…

リフレイン

この橋の桁裏を見上げてみた様子。とても洗練された造形になっている。 個人的には、部材が連続している様や、それが微妙に変化する様はとても好きだったりする。きれいだよね、淡々と繰り返されているものって。 これは音楽にも通じていて、リフレインが延…

パイプが絡む建物

今にもパイプに浸食されそうな建物に見える。あるいは、建物の内臓がむき出しになっているようにも見える。しかし、そもそもこれは建物ではない。なにかの巨大な装置なのだ。 普段われわれが持っている常識の範疇から、このスケールの物体はついつい建物と認…

視点の切り替え

僕は高いところが大好きである。高層ビルや展望施設などに行くと、同伴者が恥ずかしくなるくらい外を眺めるのに夢中になるらしい。もちろん僕だけでなく、高いところが好きな人はたくさんいるはずだ。はしゃいでいる人も多く見かけるし、はしゃぎたい衝動を…

平穏な日常

のんびりと釣りをするおじさんたち。 コークス工場から出る激しい水蒸気も、彼らにとってはいつもの風景。

わかる形

橋梁の構造形式の中でも、アーチ形式が好きな人はかなり多い気がする。たぶん、アーチは“直感的に理解できる形”なんだと思う。重力のある環境の中で生活してきた経験を無意識的に動員して、力の流れをなんとなく了解できるのだと思う。 内部空間を生み出す建…

仮想的現実空間

東京の丸ビルと新丸ビルの間にある、昨年できた地下道。 その眺めは現実を通り越して、もはや、CGのようだ。ここにいると、バーチャル空間の中に身を置いているような気分を味わえる。SFも身近になったもんだ。 ふと気づくと、CGはどこまで現実を再現…

空想科学の街

上海の街を高速道路から見下ろしたとき、既視感というか、なんとなく懐かしさを覚えた。そのときはわからなかったんだけど、しばらくしてからふと思い出した。昔の未来、そう、小松崎茂の世界だ。かつて少年だった大人は、必ず目にしたことがあるはず。改め…

直下からの視線

昨日は「ジャンクションツアー臨海編」に参加してきた。前回の「新春ジャンクション見物ツアー」では都市内の高密度なジャンクションを見たのに対して、今回は湾岸エリアの比較的伸びやかなジャンクションを見て回った。最初は辰巳JCT、湾岸線を外側から…

アートの中の工場

日経新聞の朝刊の文化面で、今週の月曜日から「テクノスケープ十選」というタイトルのコーナーが掲載されている。工業景観をテーマとしている過去のアート作品を取り上げて、その作品の背景を解説しつつ、テクノスケープの面白さを分析するという内容。 筆者…

非常時インフラの日常

先週末、写真集「恋する水門」の佐藤さんがガイドをしてくださった「水門ツアー」に参加してきた。これまで自分が見てきた領域は、土木のほんの一部であることを再認識させられた。要するに、交通系に偏っていた。交通系インフラは、たいてい常時活躍してい…

良い景観

先日、朝日を受けて赤く染まる富士山を見た。当然のごとく、その荘厳な景観に感激した。 おそらく、日本人の誰もが富士山を中心とする景観は「良い」と感じるだろう。もっと広げて言えば、人間の手があまり入っていない自然の景観は「良い」と決めつけて良い…

平面へのまなざし

昨日、NHK・BS2の「熱中時間」という番組に、友人の杉浦さんが「壁熱中人」として出演した。これが、とても面白かった。当初あっけにとられて引き気味だったレギュラー出演者たちが彼女の壁写真にどんどん引き込まれていく様は、以前の自分自身を見て…