はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

設備

ステキ階段

建築空間において、階段はたいへん魅力的な存在だよねえ。表情豊かな造形という点でも、移動による視点の変化でも、昇降するという意味においても。もちろん、建築家はそれを強く意識しながら、腕の見せ所と言わんばかりに力が入りまくるのだろう。チューリ…

祭壇駐車場

墨田区北部には興味深い物件がごろごろ転がっている。その数があまりにも多く、時間あたりの距離が極めて短いことになってしまうので、まち歩きをする際には注意を要する。 この駐車場の路面標示は、妄想をかき立てられる。おそらく4つのマスを埋めると、何…

鋳物とコンクリートと竹

昨日は墨田区北部を歩き回った。このエリアの探索は何度目になるかわからないが、訪問するたびに新鮮な発見が得られる。生活者が街の主役として直接的に介入している様相は、たまらない魅力を感じる。この人の手の存在が感じられる「下町感」とも言える独特…

巨大な箱

横浜の運河沿いの倉庫の壁面には、窓が一切なく、換気口がたくさん設けられている。その眺めはヒューマンスケールを確実に逸脱しており、そこが魅力のひとつと言えなくもない。 先週、不幸にも三芳で発生してしまった大規模倉庫火災は、鎮火に6日もかかった…

高級桟橋滑走路

先日羽田空港のA滑走路に着陸した際に、D滑走路のジャケット工法を説明しやすい写真を撮ることができた。東京湾に突き出したD滑走路の南西側半分は、周辺環境への負荷をかけないために、多摩川の流れを遮らない桟橋形式が採用されている。そりゃもちろん…

バズる室外機

たびたびツイッターなどで室外機について触れているが、まさか1万リツイートを越えるとは予想もしていなかった。5日前にシンガポールで見た、ショップハウスの裏にみっちり貼り付いた室外機群が突然バズったのだ。たしかに、現代的な高層ビル群の背景と、野…

存在を誇示するダクト

本日はベルギーの街角デザインの話をする機会があった。そのプレゼン資料の材料を集めている最中に、アントワープ中央駅の地下ホームの写真を久しぶりに見て、あらためて衝撃を受けた。なにこのダクトの存在感。なにこの無駄に注意を喚起するカラーリング。…

つぶれたおにぎり

先日訪れた栃木県鹿沼市にて、たまたまバスの車窓から見た案内標識。国道121号、国道293号、国道352号の3つが重複していることで、路線番号を示す通称「おにぎり」が6連になっている。これって珍しいんじゃないだろうか。少なくとも、僕ははじめて見た。ム…

スパイラルスロープ

これまでも様々な立体駐車場の螺旋スロープを見てきたが、先日訪れたチューリッヒにも素晴らしい物件があった。フラットルーフと隣接するオフィス部分とのコントラストが効いた、ため息が出るほど整ったダブルらせんだ。別件をストリートビューで調べていた…

未来的避難所

日本海に沿って小樽と稚内を結ぶ「オロロンライン」は、北海道の雄大さを体感できる素晴らしい道路だ。特に道北のサロベツ原野をひた走る直線区間は、日本離れしたスケールをうんざりするほど堪能できる。 もちろん夏の晴れた日のドライブは最高な体験になる…

リーファーコンテナ

機密性や断熱性が高く、温度調整が可能な冷却装置を備えたコンテナを「リーファーコンテナ」と呼ぶ。もちろん冷蔵や冷凍が必要な食料などを運ぶためのもので、その性能はどんどん向上しているらしい。 コンテナの眺めはそもそも魅力的であるが、これはさらに…

巧まざる造形

わが家の近所には、スケールの小さいけどゲリラ豪雨によってたまに氾濫してしまう「草野水路」がつくりあげたスリバチ地形がある。最近久しぶりにこのあたりを散歩し、スリバチの底と縁では風の温度や湿度が全く異なることが体感できた。そこに架かる「小仲…

かわいいドボクサイン

先月末に行われた『土木展』のミーティングで、メイングラフィックを担当されている柿木原さんのプレゼンで、ポスターの中に描かれている「土木の行為」のアイコンも解説してくださった。その時に会場から「かわいい」という声がチラホラ聞こえてきた。そう…

リプレイス

道路照明を説明するための写真が必要になったので、もやし柱と高圧ナトリウムランプのセットの写真を撮ろうとして、帰宅時にレンズを向けてファインダーを覗いた。ところが、なんだか様子がおかしい。灯具が妙に薄いのだ。光源も複数個見えるし。 よくよく見…

個性的な同級生と後輩たち

団地好きや室外機好きや写真好きなど、様々な属性の方がそれぞれの観点からオススメしてくださった「湯島ハイタウン」を、ようやく鑑賞してきた。これが想像以上に素晴らしいのなんのって。ベランダがなくシンプルでモダンなファサードになっている上に、室…

小判型ぐるぐる

先日出張で訪れた高崎では、ちょっとした空き時間に市内を散策することができた。高崎の特徴なのか、大きな地方都市の特徴なのかは定かではないが、駅周辺に大規模な駐車場が大量に立ち並んでいる様子にびっくりした。 その中でも、ビルの谷間にチラリと見え…

稚内ドーム

稚内港には1936(昭和11)年に建設された「北防波堤ドーム」と呼ばれる珍しいフォルムの防波堤がある。宗谷海峡の強烈な風と波を遮る半アーチ断面の覆いや、それを支える70本の列柱がえらく感動的。ふんわりカーブのリブが反復する回廊は、港内側に向けて解…

タワコレ

昨年あたりから、「タワー」をコレクションをしている。収集の対象は有名な塔ではなく、どこの街にもある無名の電波塔だ。集め始めてみると、思っていた以上に多様な形態が存在しており、それぞれに個性のようなものを感じることができる。 コレクションのル…

コレクション大会

昨年末というか先週あたり、少し時間的精神的な余裕ができたので、過去に撮った写真の共通点をムキになって掘り起こしてみた。そして、それらの写真をハッシュタグをつけてツイートしまくってみた。例えば「ステキ倉庫」「ゴージャス避難階段」「室外機コレ…

量が生み出す価値

「量より質」はある場面では正しいと思うけど、それって結果の話なんじゃないかな。特に何かの価値を生み出そうとする場合、「量から質が生まれる」ことの方が正しいんじゃないかと思う。それどころか「圧倒的な量は、質そのものになる」という気もするな、…

締めくくりの展示作品

東京都現代美術館の地下駐車場がかっこよかった。様々な現代アートをたっぷり鑑賞した後にこの空間を体験すると、ある種の高揚感が得られるよ。断熱材で覆われた空調ダクトのまるでザハ建築のようなスピード感と、キリッとした駐車升の整列感の対比なんて、…

環状列塔

先日、はじめて鳥取と島根を訪問した際に、せっかくの機会なのでベタ踏み坂として有名になった境港の「江島大橋」に立ち寄ろうと思い、レンタカーを走らせた。するとその途中で「なんだこれは!!ひょっとしてアレを降臨させるためのものなんじゃないか!?…

壁が隔てるもの

氷見の防火建築帯の周辺は、延焼を防御するという役割が示すとおり、木造建築の密集地帯である。防火建築帯の屋上から裏側をから眺め、ああこのエリアに火の粉が飛ぶのを防ぐのかと思った次の瞬間、このエリアが火の海になった時に体を張って外に広がるのを…

丹下団地の使われ方

香川県高松市にあの丹下健三が手がけた「県営一宮団地」は、至る所にあるナナメのラインや配置がものすごくかっこいいよ。建物自体のフォルムもステキなんだけど、その建物でズバズバ切り取られた表情豊かで贅沢な空間がたまらないんだよな。 それはともかく…

異質な存在

都市の中には、異質さを禁じ得ない施設がたくさんある。例えば、巨大駐車場や物流倉庫や各種タンクなんかがそれに該当する。僕はそれらをなんとなく気にしていたのだけど、あらためて自分のアルバムを振り返ると、なにかのついでという状況で、かなりたくさ…

古墳的格納庫

房総の茂原にはかつて、海軍の航空基地があった。その明確な証拠とも言える『掩体壕(えんたいごう)』というコンクリート造の航空機格納庫が、10基ほど残されている。倉庫として使われているものもあるが、ただそこにあるだけのものも多い。上の写真の掩体…

本当に純粋な階段

現在千葉市美術館で行われている『赤瀬川原平の芸術原論展』(会期:2014年10月28日~ 12月23日、オフィシャルサイト:こちら)は、必ず行くべき展覧会だよ。開催の「前日」に訃報に接したときは、そのニュースすら作品の一部なのでは?と思ってしまったが、…

きのこの給水塔

3年前のクリスマスの日はローマで過ごした。サンピエトロ広場でベネディクト16世の説法を聞いた後に、EUR(エウル)というエリアを訪れた。クリスマスのために完全に機能停止していた街からは、ファシストの壮大な夢の断片が感じられた。 ネルヴィの手によ…

樹木を越えた何か

シンガポールのベイエリアに2年前にできた植物園には、極めてインパクトが大きい塔状の装置群が設置されている。紫に塗られたスチールのパイプが外皮を構成し、そこを覆うために植物が強引に配置されている。太陽光発電装置、換気装置、雨水収集装置、エコに…

バックヤード通り

前の職場の元同僚に誘われて、遅い夏休みをシンガポールで過ごすことにした。シンガポールと言えば世界の物流の要であり、元同僚にはその点を推されたのだ。このため、コンテナターミナルの眺めをいかに楽しむかをテーマに旅行プランを組み立てていた。 とこ…

デパートの裏側

デパートなどの集客力がある大きな建物の裏にある避難階段が面白く感じるようになってきた。もちろん過去の写真を振り返ってみても、様々な階段に興味を持って撮ってきたことは間違いないのだが、旧木更津そごうの避難階段(反復階段)を見てからは、はっき…

曲がった電柱

旭川の繁華街では、ぐにゃりと曲がった形状の電柱が列をなしている風景を見ることができる。おそらく何らかの理由で建物との近接を避け、かつ、道路幅員を確保するために、苦肉の策として生み出された不遇の電柱群なのだろう。旭川に来るたびに、飲み屋に行…

何があっても落とさない

富山の高岡市と射水市を結ぶ万葉線に乗っていたとき、庄川の河口に変断面が連続するコンクリート橋が見えたので、後日あらためて訪問してみた。1938(昭和13)年につくられた国道415号の「新庄川橋」である。 RC桁が描くリズミカルなラインはとても丁寧にデ…

反復階段

木更津駅西口に面した商業施設の裏側に、極めてゴージャスな避難階段があった。この建物から海側は背の高い建物がそれほど多くないため遠くからでもよく視認でき、木更津のシンボルと言ってもいいくらいの存在感を放っていた。 この商業ビルはもともと「木更…

長すぎるオフィスビルとベンチ

アムステルダムの造船所跡地に、かつてはクレーンが載せられていた全長270mのコンクリートのフレームが残されていた。これまでもオランダ人のすさまじいリノベーションマインドを数多く見てきたが(たとえば、飛行機に泊まる、クレーンに泊まる、毒虫の部屋…

博多駅周辺の名所

これまでにも福岡には何度も来ているはずなのだが、「博多駅」を訪れたのは今回がはじめてだと思う。西側の博多口は、自分が勝手に抱いていた博多のイメージと全く異なり、スケールが大きい現代的な街並みだった。その整然とした理性的な眺めに、なぜだかが…

連なる輪

デン・ハーグの地下トラム駅「Spui」はレム・コールハース率いるOMAの設計。地上、地下駐車場、トラムホームの重層構造が上手い具合にまとめられていて、複雑な空間構成が体感的に認知しやすくなっている。エスカレーターを下って地下のホームに行く途中、車…

アムステルダム再訪

3年前に1年間も住んでいた比較的なじみ深い国であるオランダをなぜ再び訪れているかというと、帰国してから見ておくべきだったなあという物件があれこれ湧いて出てきたためである。当方の情報収集不足、うっすら知っていたもののオランダにあると気付かなか…

ガソリンスタンド跨ぎ

シュトゥットガルトで見かけた、ガソリンスタンドの上空を越えていく橋。 この橋はシュライヒ事務所の設計で、ものすごく薄いコンクリートアーチでカーブした桁を支えている、地味にすごい橋なんだけど、曲線やら斜め線やらで空間が構成されているために視覚…

東京側25m

下関駅で見かけたトイレのサイン。もちろん間違ってはいないのだけど、そのスケール感覚はどうなんだろうか。山口県民あるいは長州人にとっては、通常の感覚なのかしら。

工場観賞用駐車場

イオンタウン周南には、収容台数2000台を越える巨大な無料駐車場がある。しかも、駐車場からは周南コンビナートの一部を見ることもできるよ。まあそれほど良好な見え方ではないのだけど。JCT観賞用駐車場など、イオンさんにはたびたびお世話になっております…

日常への挿入

呉にある海上自衛隊呉史料館「てつのくじら館」には、実際に稼働していた潜水艦の「あきしお」が展示されている。日常生活の風景に、普段は水の中にいるはずの、しかもその全貌を見ることなどあり得ない異物が挿入されている。写真右側にはショッピングセン…

色分けホーム

先週の富山出張の際、その前の出張の際に気になった万葉線に乗車してみた。これがなかなか面白かった。車窓からの眺めはローカル色が豊かだし、(休日限定だけど)車内アナウンスはこの地の出身である立川志の輔だし、車両のデザインもなかなか素敵だし。や…

レーンの風景

東名高速道路の東京料金所は、神奈川県川崎市にある。以前、道路管制センターに併設されているNEXCO中日本の広報施設「コミュニケーション・プラザ 川崎」を見学させていただいた際に、屋上から料金所のレーンをじっくり堪能した。コンクリート舗装の上に無…

駅ビル風パーキング

先月訪れた北九州にて。この高炉モニュメントを見るためには隣のスペースワールド駅で降りればいいのだが、少し街歩きをしたかったので、その隣の八幡駅で下車してみた。改札を通って振り返ると、ああ立派な駅ビルだったんだね、ぜんぜんそんな感じじゃなか…

謎のコーナー

JR総武本線の擁壁に隣接している道路および駐車場。見れば見るほど謎めいている。そのまま進むと確実に擁壁にぶち当たる車両通行帯、スペースの中央に位置する2つのポール、おそらくこの位置と方向しか無かったのであろう強引にねじ込んだ駐車マス、意味…

神々しい駐車場

千葉の宝のひとつ、そごうのぐるぐる駐車場タワーの中央部。 未来世紀ブラジルのラストシーンに登場した発電所のクーリングタワーの内部にも似た眺めであり、二重らせんのスロープを定着しているアンカーが壁に点々と並んでいる様は、天に昇るような荘厳な気…

JCT鑑賞用駐車場

京都から南に下ったところにある久御山ジャンクションを見に行ってきたんだけど、想像以上にすごすぎて全く手に負えなかった。道路交通の観点からは極めて都合がよいとされるフルタービン型のジャンクションは、外から見たときのスケールとカオスさが尋常で…

駅前の大穴

ミラノからユーロスターに乗ってフィレンツェに行ったときのこと。 電車を降りるなり、モダンながらもファシズムのテイストが感じられるサンタ・マリア・ノヴェッラ駅にガツンとやられた。観光ガイドブックを見ると、ドゥオモやベッキオ宮やジョットの鐘楼や…

売り上げがある壁

昨日、待ち合わせの時間まで少し余裕があったのでその周辺を散歩をしていたら、自販機によるバリケード、もしくは、仮囲いを見かけた。角地のビルがなくなり、さらに跡地の駐車場もなくなり、そうした寂しさをどうしても埋めたくなったのだろうね。こうなっ…