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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

クレーン・フェス

市電に乗って熊本の交通センター(バスターミナル)の脇を通ったところ、あたかも熱気に包まれたフェスが行われていると錯覚するほど、数多くのクレーンやパイルドライバがじゃんじゃん稼働していた。そりゃもう、かっこよさにしびれるよねえ。その時は別の…

街の記憶

1ヶ月ほど前だったろうか。自宅の最寄駅のロータリーに隣接した一角が更地になっていた。生命保険の会社のビルだったと思うのだが、どんなビルだったか全く憶えていない。 日本において、多くの人に利用されている駅前の風景は、更新し続けているように思う…

琵琶湖の水

日本の古都・京都には、1890(明治23)年につくられた琵琶湖の水を市内に運ぶための壮大な規模の水路があり、今も現役の施設として市民生活の中に溶け込んでいる。明治維新によって首都機能が東京に移ったことで、当時の京都は著しく衰退しはじめていた。そ…

抜け殻になったコンテナターミナル

タンジョン・パガー・コンテナ・ターミナルのあの感動を再び味わいたくて、2年半ぶりにシンガポールを訪れている。そのターミナルを一望できる高層高級住宅を訪問したのだが、窓の外を見るなり腰が抜けた。なんと、広大な敷地がほぼ空っぽなのだ。色とりどり…

港との距離

国家や都市のバックヤードを担っている港湾って、グローバル化とともにその規模が大きくなるに従って、どんどん市民生活から離れていき、リアリティを失ってきているように思う。それは、様々な形態の貨物を合理的に大量運搬可能にした「コンテナ」という物…

浮かび上がる骨格

11月24日までに、急いで新宿駅西口広場イベントコーナーに行こう。土木学会「土木コレクション2016」と、東京都建設局「橋と土木展」が同時開催されているので。土木の展示としては王道である「技術を丁寧に伝える」という雰囲気の中で異彩を放っているのが…

素敵な駅舎と街の変化

2010年に開業した4代目旭川駅。これまでも何度か訪れているけれど、今回ははじめて夜景を堪能した。しかも、11月上旬なのに適度に雪が積もった冬景色で。 昼間ははっきり認識できない特徴的な形状の柱が、ガラスのカーテンウォール越しにくっきり見えて、そ…

繊細なトラスが架かる街

僕がドボク旅行を計画する際には、ぜひとも行きたいという大きなアンカーポイントを最初に設定し、それらを結ぶように周辺地域のサブコンテンツを探していくという方法を採っている。オーストリアのフェルトキルヒという街は、そんな中で経由地としてピック…

穏やかな謎の国

5年前のスイス訪問時にもリヒテンシュタイン公国へ行った。しかし、さらっと通過しただけであり、写真すら一枚も撮っていなかったので、もしかすると本当は行っていないんじゃないかなどと思うようになった。このため夏のアルプスドボクツアーでは、ちゃんと…

古い街の積み重ね

ケンプテンはドイツでも最も古くから存在しているクラスの街のようで、ネットで少し調べてみただけでも、ケルト人、ローマ人、ゲルマン人と、様々な民族がその歴史に登場してきたことがわかる。一時期はカソリック勢力とプロテスタント勢力に分断されて統治…

火山的建造物

フランスのル・アーヴルという街には、5年前に「ノルマンディー橋」を見るために宿泊地として立ち寄った。鉄筋コンクリートの団地が建ち並ぶこの街自体が世界遺産に登録されていることは耳にしていたが、それほど期待も予習もしていなかった。ところがとてつ…

知らない街の有名物件

数ヶ月前、ほとんど訪れたことのない高崎へ出張に行った際、数時間ほど自由になったので、中心市街地を散策することにした。事前に予備知識を仕入れる時間が全く確保できなかったのだが、その瞬間の勘を頼りに徘徊して、有名建築家による駐車場に出会ったり…

すでにない高架橋を見に行こう

先週末は出張ついでに高岡と氷見の町を歩き回った。疲労で頭が空っぽになるほどに徘徊し、そこに積み重ねられた時間を感じることができた。ここ最近は気持ちが大きくブレて迷走状態に陥ることが多かったためか、そうしたフィールドの体験がスーッと体に染み…

ハイブリッド・パラダイス

何度も言うけど、僕はなぜか大阪と縁遠い。先週末は、昨年の12月から数えると3回目の訪問だったので、珍しく頻繁に訪れていることになる。しかし、打合せやらイベントやら雨やらで、ろくにまち歩きやドボク鑑賞ができないもどかしさは相変わらず。今回の訪…

壁が隔てるもの

氷見の防火建築帯の周辺は、延焼を防御するという役割が示すとおり、木造建築の密集地帯である。防火建築帯の屋上から裏側をから眺め、ああこのエリアに火の粉が飛ぶのを防ぐのかと思った次の瞬間、このエリアが火の海になった時に体を張って外に広がるのを…

防火インフラ

高密度の木造建築群は、燃えはじめてしまうとたいへんな大火になってしまう。木造住宅が多い日本では、都市の集積が進行するにつれて深刻な社会問題になっていった。そして1950年代から60年代を中心に、横に長いコンクリートの建物によって都市の延焼を食い…

地域の代表的な風景

「地域を代表する風景」ってのは、郷土史のフィルターを経て古典化し、一般的な価値を獲得したものだろう。そういうものでないと、観光パンフレットに掲載しにくいだろうし。それ自体はそれほど疑ってないのだけど、個人的な地域のイメージとなると話は少々…

みんなでつくった黄色い道

先月訪問したロッテルダムでは雨の中、2015年にクラウドファンディングによってつくられたばかりの総延長390mの木製歩道橋「ルフトシンゲル(Luchtsingel)」を鑑賞してきた。25ユーロの出資につき1枚、壁高欄の木材に名前が刻まれているらしい。デジタル的…

パリの覚悟

凱旋門から見たエッフェル塔の写真は、いろんな場面でしょっちゅう使っているので、このブログにも載せているもんだとばかり思っていたが、まだだったようだ。(追記2015.8.10:写真は2013.10.12「景観を破壊する建造物」に使っていた。エッフェル塔の名前と…

くぐって越えて

先日、産業技術大学院大学に行く用事があった。関係者に千葉からのアクセス方法を訪ねると、品川の南にで少し行きにくいとのことだったので、若干ためらっていた。直前になってから地図で周辺を確認すると、特に物流系が極めて魅力的な湾岸エリアであること…

リエージュの大階段

2020年東京オリンピックのエンブレムの件で、いきなりフィーチャリングされているベルギーのリエージュは、地形の変化が楽しい街。魅力的な坂がそこら中にある。さらに、カラトラバによるリエージュ=ギユマン駅やグレイシュによるPays de Liège橋などの見ど…

東京地下迷宮

NHKで7月20日に放送された『ブラタモリ スペシャル』で、東京駅周辺の巨大地下空間が取り上げられた。濃度も深度もあるみっちりした内容で、視聴しているだけでワクワクドキドキした。 番組の企画を進めている段階で、スタッフのみなさんと半日かけてフィー…

親水性

出版記念トークイベントのために、大量の写真を仕込んでいる。その作業の中で、オランダの親水性を示す写真をいくつかピックアップした。ユトレヒトの運河の写真をあらためて見ても、その寛容さには目を疑う。日本ならばここまで水際に接近させないばかりか…

変態団地

昨年の夏にシンガポールに行った際、あまりのコンテンツの多様さと濃度にまいってしまった。うっかりブログに残していなかった物件がまだまだあるのだけど、これだけはさっさと書いておくべきだった。オランダを本拠地とする建築集団のOMAが設計した変態団地…

内川のダンメン

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。早速で恐縮ですが、昨年の積み残しからスタートします。 昨年度の後半から、富山でのプロジェクトがスタートして、月イチくらいのペースで訪問していた。たまに自由な時間を持てることもあった…

やんちゃ都市

レクサスブランドのコンパクトSUVとして登場した「NX」のCMは、ロッテルダムの街が舞台になっている。ちょいちょい登場する斜張橋はもちろんエラスムス橋だし、最後の赤パンツのシーンはオランダ建築協会(NAi)だし。そして泡まみれになるシーンは、どうや…

サーキット見学

シンガポールを訪れた初日に、じっくり見ようと思っていた市街地の古い橋が妙な囲いで覆われていて、ろくに見ることができなかった。その時は妙な工事のやり方だなあとスルーしていたのだが、最終日になってようやく気がついた。 ああ、あれはF1コースの整…

団地パラダイス

シンガポールの高密度感やスピード感は凄まじいものがある。東京23区と同じくらいの面積と言われる国土に、約540万人(2013.9時点)が暮らしており、いまもぐんぐん増えている。もちろんその受け皿は高層団地であり、これまたものすごい勢いで増殖中である。…

バックヤード通り

前の職場の元同僚に誘われて、遅い夏休みをシンガポールで過ごすことにした。シンガポールと言えば世界の物流の要であり、元同僚にはその点を推されたのだ。このため、コンテナターミナルの眺めをいかに楽しむかをテーマに旅行プランを組み立てていた。 とこ…

巨大ミニチュア

先週、福井を訪問する機会があった。高校生のときに修学旅行で永平寺や東尋坊に行って以来のことだった。申し訳ないことに、福井にはほとんどイメージがなかったのだが、なかなか興味深い街だった。 中でも一番気になったことは「歴史」に対する執着心。石垣…

人工の土地

先日四国を訪問する際に、Twitterで「僕が行くべきところを教えて!」と羽田空港でつぶやいたところ、僕の好みを理解してくださっている方々からいろいろとご教示いただけた。その中に「坂出人工土地」という不思議な響きのワードがあったので簡単に調べてみ…

広場の変遷

昨晩、おそらく10数年ぶりに映画「ニュー・シネマ・パラダイス」(完全オリジナル版)を鑑賞した。シチリアの小さな村を舞台に、やがて映画監督として大成するけれど人としての出来はいまひとつなトトの成長が丁寧に描かれている映画である。エンニオ・モリ…

歴史的な普通の団地

シュトゥットガルトの丘の上にある集合住宅。ヘタをすると「ダサくて価値なんてないどこにでもある団地」なんて、悪感情を持って見られることもあるだろう。ところがこれは、今につながるモダンな集合住宅の先鞭をつけた重要な建物なのだ。つまり「普通」っ…

上海近郊のベニス

先日ヴェネチアの写真を眺めていたときに、そういえば7年ほど前に上海を訪問した際に、1時間半ほど離れた「周荘」という水路の街で船に乗ったことを思いだした。 その当時の周荘は、急激に観光地化している最中だったようで、そこに住む人々の地味な生活と、…

都市渓谷の仮橋

昨晩はボート・ピープル・アソシエーション(BPA)主催の「神田川トワイライトクルーズ」に参加させていただいた。BPAのクルーズには、もう数え切れないくらい参加しているのだけど(たとえば御茶ノ水キャニオン、ナイトクルーズ、水上からの視線、工場クル…

サイバーパンクな街

千葉駅に接続する千葉都市モノレールの軌道を、上から眺めてみた。1984年にウィリアム・ギブスンが書いたサイバーパンクSF小説『ニューロマンサー』に登場する電脳都市「チバ・シティ」は、実はすでに現実のものになっているんじゃないかと、うっかり錯覚し…

京都グリッドの呪縛

一ヶ月ほど前、京都に行く機会を得たので、古都って言っても現代の暮らしはどうなっているんだろうかねえと思いながら、うろうろと街を徘徊してみた。その際に、京都の地図を眺める度に気になっていた「後院通」にも行ってみた。 何をいまさらと言われると思…

タンガ

北九州の旦過市場がすごいよ。(公式ホームページ) 神獄川の上に迫り出した店鋪の背面が、なんとも幻想的なたたずまい。まるで東南アジア的のカオスな水都のような雰囲気を放っていて、うっかりときめいてしまう。 もちろん市場の中もすてきだよ。バックヤ…

ゴルフ場の調整池

ゴルフ場の開発に伴って整備された調整池のことではない。宅地開発に伴って整備された調整池を、ゴルフ練習場として使っている事例である。この近くにお住まいの方に教えていただいて、この調整池と併せてウハウハしながら見に行ってきた。いやもうすごいよ…

銀座の特異点・三原橋

銀座と言えば、高級百貨店、ブランドショップ、高級クラブに代表される大人の繁華街といったイメージか。歴史ある企業の本社やショールーム、ファストフードやファストファッションの旗艦店が集中するビジネス拠点というイメージか。 そんな銀座に、極めて特…

水無池

丘陵地なんかで宅地開発が行われると、その土地が本来持っていた保水力が著しく低下して、下流域に甚大な溢水被害を引き起こす恐れがある。このため、一時的に雨水を貯留する「調整池」と呼ばれるプールがセットでつくられることが多い。どちらかと言えば、…

王宮ラッピング

一昨年の今頃は何をしていたのかなとふと気になってカレンダーを見てみたら、10月から始めたオランダのアイントホーフェンでの生活にすっかり慣れて、はじめてアムステルダムを訪れた日だった。このときはコンセルトヘボウのコンサートを観覧するという浮か…

トリノのダンメン

昨年の今頃は何をしていたのかなとふと気になってカレンダーを見てみたら、11月後半に入居したミラノのアパートをはじめて離れ、2泊3日でトリノに行っていた日だった。あれからまだ1年しか経っていないとは驚きだ。この短い旅はネタが豊富に得られたんだよな…

貯水槽のある風景

たまたま釜山郊外の谷間の街にLRTで行く機会があった。高架になった駅を降りると、そこは貯水槽パラダイスだった。青系のタンクを中心に、ときどき黄色が混じっていて、とてもかわいらしい。 街区がグリッドで構成された街を歩くと、わりと強引に傾斜地を開…

商品としての都市

今回の韓国訪問では、新都市開発の例をいくつか目にした。それらはまさしく「都市」であって、「ニュータウン」などの規模をはるかに超えるものだ。開いた口がふさがらないほどすごいんだよ、ほんとに。入居者はどこから来るのだろうか、住民の年齢構成や属…

ロンドンのピアノ

まだロンドンオリンピックが開かれていた頃、三菱地所のTVCMが目に入るとそこにロンドンの街並みが映し出されていたので、「ああ懐かしいね」なんて知ったかぶり優越感をえらそうに振りまいてみた。これだから、にわか海外かぶれはイヤになるよね。 それはさ…

浅草の名所

少し前に浅草の仲見世通りに行ったのだけど、すれ違うのも難儀するほど国内外からの観光客でごった返していた。たしかに「江戸」の文化を体験するのにふさわしい場所だと思う。 しかし、そんな観光客のみなさまに声を大にして言いたい。江戸から続く「東京」…

東京は千葉でできている

僕が住んでいる千葉県は、東京ディズニーランドや東京ドイツ村があったりと、東京に媚びた卑屈さがあるように見える。しかし東京という大都市は、主に千葉でできているのだ。という事実をつい最近知った。どうやら千葉県民はこの事実をもう少し認識した方が…

御茶ノ水キャニオン

先週末、BPA(ボート・ピープル・アソシエーション)のクルーズ企画「東京花見クルーズ2012」に参加させていただいた。日本橋川、神田川、隅田川、小名木川をめぐる都市内河川おなかいっぱい堪能コースだ。これまでいろんな場所で頻繁に船に乗っている僕なん…

超現実シティ

ローマ近郊にムッソリーニの肝いりで1930年代に開発されたエウル(EUR, Esposizione Universale Roma)という地区がある。その名の通り、ここでローマ万国博覧会を開催する予定だったが、第二次世界大戦のために中止になった。気合いを入れてつくったものの…